近い将来、電話番号がなくなる日が来るかもしれない。東京都内のIT企業に勤める樋口克弘さん(34)は高機能携帯電話のスマートフォンを取り出し、無料通話アプリ(ソフト)「オンセイ」を使って電話をかけ始めた。画面にずらりと並ぶのは電話番号でなく、交流サイト「ツイッター」のアカウントだった。 「ツイッターでつながる知人とは、このアプリで話す。電話番号を知らない人もいるが、別に困らない」 アプリは昨年8月に公開され、20万人が登録する。利用者同士の通話料は無料だ。データ通信料はかかるものの、定額の料金プランなら上乗せはない。世界最大の交流サイト「フェイスブック」のアカウントを使った同種のアプリもある。 こうしたインターネットのデータ通信を使ったIP電話は「VoIP(ボイプ)」と呼ばれる。2003年にパソコン向けとして始まった「スカイプ」が月間2億4700万人の利用者を持つが、常に持ち歩く携帯向け無料