小林:××社は今のところどんな対応をしている? アクセスが困難になっている以外に顧客情報が漏洩したといった問題は発生していないのか。 山下:その点を含めて現在詳細を調査中です。 DDoS攻撃には2種類のパターンがある。1つは、通信内容自体は正規のものと完全に同じであるが、アクセス数が異常に多いものだ。もう1つは、通信内容自体が異常なものである。電話でたとえると「ワン切り」のような通信未成立の状態を何度も繰り返すような攻撃手法だ。TCP SYN flood攻撃といったタイプのDDoS攻撃が当てはまる。 ネットワーク管理者としての対応は、どちらの攻撃パターンかによって異なる。「アクセス数が異常に多いだけ」のものに対しては、通常の状態を学習して「異常な状態」を検知する仕組みを組み込んでおく(図3-1)。このような異常検知の仕組みを「アノマリ検知」と呼ぶ。検知したら、そのアクセス元からの通信の流量