経済の潜在力が高まらないと持続的な賃金・物価の上昇は実現しない日本銀行が推計した潜在成長率を用いて一人当たり労働生産性上昇率を計算すると、足元で0%程度である。労働分配率に変化がない場合には、実質賃金上昇率は労働生産性上昇率と一致するはずであり、その水準は0%程度である。労働生産性上昇率が高まるといった前向きの構造変化が起こらない限り、賃金上昇率は物価上昇率と同程度の水準に収れんし、高い実質賃金上昇率が持続することはないだろう。 過去を振り返ってみても、名目賃金上昇率が潜在成長率の水準を長きにわたって大きく上回ったことはない。潜在成長率が名目賃金上昇率の上限となってきたのである(図表)。 こうした点から、海外市況高、円安の影響を受けた今年の物価上昇率の一時的な上振れの効果で、仮に来年の賃金上昇率が上振れることがあっても、それは一時的である。生産性上昇率など経済の潜在力に大きく影響を受ける賃
総務省が11月18日に発表した10月分消費者物価統計で、コアCPI(生鮮食品を除く総合指数)は前年同月比+3.6%と、9月の同+3.0%を上回った。筆者の予想である同+3.4%、平均予想の同+3.5%を上回り、第2次石油危機時の1982年2月以来、実に40年8か月ぶりの高水準に達した。 10月は前年の携帯電話通話料の値下げの影響が剥落したことが、コアCPIの前年比を0.24%ポイント押し上げた。これが、前月と比べて前年比上昇率を高めた最大の要因である。ただしそれ以外にも、物価押し上げの要因は幅広くみられている。 住宅関連では、家賃は安定を維持している一方、設備修繕・維持が前年同月比を+0.10%ポイント押し上げた。建設費、人件費高騰の影響とみられる。さらに、生鮮を除く食品も前年同月比を+0.30%ポイント押し上げた。酒類、外食がそれぞれ+0.06%の押し上げ寄与となった。菓子、飲料なども含
企業は固定給の引き上げに引き続き慎重このように、インフレ手当を支給する企業は増えてきているが、実際の支給が個人消費に与える影響は比較的軽微であり、足元で前年比4%に迫る消費者物価(除く生鮮食品)の上昇による所得目減り分を補う効果は小さい。 先行きの経済情勢に対する不透明感が強まる中、企業はベアの引き上げには慎重である。日本では、ベアは一度引き上げれば、引き下げることが難しく、長期にわたって企業にとっての固定費となり、収益を圧迫する可能性があるためだ。 今年の物価高を反映して、来年の春闘ではベアは1%程度まで引き上げられることが見込まれるが、足元の物価上昇に比べればかなり低い水準である。また、ベアの上振れも1年限りのものとなろう(コラム「消費者物価4%が視野に:賃金と物価の好循環は起こらない(10月消費者物価)」、2022年11月18日)。 インフレ手当支給が物価高の痛みを和らげる効果は小さ
物価高が家計を圧迫する状況が続く中、従業員に対して物価高に配慮した特別な手当て、いわゆる「インフレ手当」を支給する企業が増えている。帝国データバンクが11月17日に公表した調査結果によると、小規模企業を含む調査対象企業のうち、インフレ手当を既に支給した企業は全体の6.6%となった。また、支給を予定している企業の割合は5.7%、検討中の企業は14.1%となった。合計すれば、26.4%と全体の4社に1社がインフレ手当に取り組んでいることになる。 インフレ手当に取り組む企業のうち、「一時金」で支給と回答した企業は66.6%、一定期間月額給与に上乗せする「月額手当」と回答した企業は36.2%であった(複数回答)。 支給総額は666.3億円、個人消費押し上げ効果は166.6億円一時金の平均支給額は5万3,700円である。経済産業省の「2021年企業活動基本調査速報」によると、2021年3月時点での総
淀川製鋼所は17日、エクステリア商品の一部価格を2023年1月出荷分から値上げすると発表した。対象商品はヨド物置のエスモ全機種、エルモ全機種(エルモコンビ、エルモシャッター、エルモ連続型含む)。値上げ幅は約15%で、標準組み立て費を約10%引き上げる。
はじめまして。2021年2月1日よりウェブマガジン「考える人」の編集長をつとめることになりました、金寿煥と申します。いつもサイトにお立ち寄りいただきありがとうございます。 「考える人」との縁は、2002年の雑誌創刊まで遡ります。その前年、入社以来所属していた写真週刊誌が休刊となり、社内における進路があやふやとなっていた私は、2002年1月に部署異動を命じられ、創刊スタッフとして「考える人」の編集に携わることになりました。とはいえ、まだまだ駆け出しの入社3年目。「考える」どころか、右も左もわかりません。慌ただしく立ち働く諸先輩方の邪魔にならぬよう、ただただ気配を殺していました。 どうして自分が「考える人」なんだろう――。 手持ち無沙汰であった以上に、居心地の悪さを感じたのは、「考える人」というその“屋号”です。口はばったいというか、柄じゃないというか。どう見ても「1勝9敗」で名前負け。そんな
原材料価格の高騰などを理由に、ロッテはアイスクリームの「雪見だいふく」や「爽」などを来年3月から再値上げすると発表しました。 【写真】値上げされる商品 アイスクリーム「爽」など再値上げ 来年3月から ロッテが値上げするのは、アイスクリームの「雪見だいふく」や「爽」など19品目で、来年3月1日の出荷分から希望小売価格を6.6%から28.5%、順次引き上げます。ロッテは今年7月にも一部のアイスクリームなどを値上げしていて、再値上げになる商品もあります。 例えば「雪見だいふくバニラ」や「爽バニラ」は、▼今年7月に140円(税抜き)から10円値上げしていましたが、▼来年3月から、さらに10円値上げし、160円(税抜き)となります。 ロッテは、原材料価格や物流費の高騰が値上げの理由だと説明しています。
国の令和3年度決算が国会に提出されたので、主な歳入と歳出について見る。 新型コロナウイルス感染症の流行にもかかわらず、税収は2年連続で過去最高を更新した。公債金はほぼ半減したものの、過去二番目に多い。 財務省より作成所得税、法人税、消費税が揃って増えている。消費税は2年連続で所得税を上回っている。 財務省より作成 消費税等は1988年度までは物品税等空前の規模の国債発行を財源とした経済対策→経済が全体として堅調を維持→税収が増加、ということになる。 財務省より作成社会保障関係費と債務償還費を除いた歳出は1990年代後半から増えていなかった(景気拡大期には約10兆円減らしている)、すなわち財政構造改革の縮減路線は続いていたことに注目。 財務省より作成新型コロナウイルス感染症対策で増加が大きかったのは 社会保障関係費の生活扶助等社会福祉費、保健衛生対策費、雇用労災対策費 中小企業対策費 その他
どんなに消費税を減税しても、低所得者層の所得の天井が当初所得を超えることがない。だったら、低所得者層にも一定の負担は生じてしまうが、中間層と富裕層の消費に課税し再分配することで、低所得者層の(現金・現物双方の給付を含めた)再分配所得の天井を上げる方がいいと思うのだが。
@siroiwannko1 んで、2年目以降は? 消費税戻す? それでも、経済は成長し続ける? 1年間成長すれば、何十年も安泰? 1年間消費税無くすってのは、一時的にお金をばら撒くのと変わらないのでは? そもそも1年間消費税無くすと、経済が成長するって、どうやって?
先進国と比較すると、日本の労働生産性は相対的に低く単位労働コストも高くなっている。これは、貿易財部門と非貿易財部門の生産性の格差によるものであると考えられる。また、製造業では、国内的には、労働生産性が上昇し、単位労働コストが低下しているものの、為替レートを考慮すると、必ずしも他国に比べて単位労働コストが低下しているとはいえない。 中国をはじめとするアジア諸国では、技術水準が向上し、日本の製造業は賃金等のコストの差を考慮すると優位に立てなくなっている。いわゆる「空洞化」が進展すると、国内の雇用に及ぼす影響が大きい。 また、一般労働者ではパート労働者に比べ賃金の下方硬直性が強いため、現下のデフレ下においては、賃金調整が行われにくく、一般労働者の雇用の減少と、パート労働者への労働需要のシフトに結びついている可能性がある。 (労働生産性、単位労働コストの国際比較) 日本の労働生産性は、ヨーロッパ諸
米労働省が4日発表した2022年第3・四半期の非農業部門の労働生産性は年率換算で前期比0.3%上昇と、市場予想を下回った。ロイターがまとめた市場予想は0.6%上昇だった。ただ、依然として労働コストの上昇圧力が続き、インフレ率が高止まりする可能性を示している。(2022年 ロイター/Charles Mostoller) [ワシントン 3日 ロイター] - 米労働省が4日発表した2022年第3・四半期の非農業部門の労働生産性は年率換算で前期比0.3%上昇と、市場予想を下回った。ロイターがまとめた市場予想は0.6%上昇だった。ただ、依然として労働コストの上昇圧力が続き、インフレ率が高止まりする可能性を示している。
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