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  • 経済関係雑記帳: 健康ってなんだ(メモ)

    1.27.2014 健康ってなんだ(メモ) オバマケアの経済学界隈における破壊力は凄まじく最近ヘルスエコンだけじゃなくてマクロ界隈でもオバマケア(ACA)に関する研究論文が増えている。マクロの文献だと健康状態ってのは昔から重要な変数だが、まだこれの取り扱いが定まっていないように感じる。 多いのは、主観的健康状態(Self-Rated Health, SRH)を何処かで切って、「いい」「悪い」もしくは「いい」「悪い」「めっちゃ悪い」という非連続な変数にして、状態間の移動を確率行列で表す(「めっちゃ悪い」は破滅的な医療費を考慮するため。医療費にキャップがある国の場合は関係ないかも)。 もう一つは、障害や疾病の有無といった客観的健康状態(と主観的健康状態)を何らかの形でスコア化して、健康ストック(Grossman1972)のような連続変数として扱うというもの。これは、主成分分析や、主観健康状態の

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    hahnela03 2014/02/01
    いずれにしても、そもそも健康ってなんなのよっていう議論が不可欠だと思う。つまり、健康とはもちろん、市場での労働のための資本であるし、一方で効用をもたらすものでもあるのだが
  • 経済関係雑記帳: 日本国債は安泰か?

    11.04.2013 日国債は安泰か? チャールズホリオカ他のNBERペーパー。 最近日の財政問題にまた焦点があたっているように感じます。イムロホログル北尾山田なんかも問題意識は同じでしょう。 ホリオカ先生と言えば日の家計研究の第一人者と言っても過言ではない研究者ですが、近年貯蓄率の低下について精力的に研究をされています。 日の家計の貯蓄率の低下は疑いもない事実で、高齢化がその大きな原因のひとつであるというのはコンセンサスだと思います。貯蓄率の低下は当然、その最大の投資先である日国債の需給に影響することは間違いありません。 このペーパー自体は短く、特にモデルもないので難しくありません。基的には、特に短期の日国債の外国人保有率が近年高まった理由と今後について考察しています。 面白かったのは外国人保有率の上昇の要因として中国人民銀行を含めた海外の中央銀行の行動を候補としてあげてい

    hahnela03
    hahnela03 2013/11/06
    日本の家計の貯蓄率の低下は疑いもない事実。「日本国債は内国債なので絶対デフォルトしない」といったような言説を鵜呑みにする前にこうしたデータ分析に目を通しておきたいものです。 /リフレ派(保守)の浅慮の戒め
  • 経済関係雑記帳: 失われた20年に何が起きていたのか

    9.20.2013 失われた20年に何が起きていたのか 正確に理解出来てるか怪しいので他人の論文を紹介するのは気が進まないが、新進気鋭の(主にマクロ)経済学者らによって書かれているこの論文は、派手さはないが日経済を対象にした研究をしているものにとっては必読だと思う。 アメリカのPSIDみたいな横にも縦にも十分大きいパネルデータが少ない(というか、ない)日では、賃金、収入、所得、消費、資産[1]という基的な変数の動きを正確に理解することはなかなかムズカシイ。この論文は、そのバリアを賃金構造基調査、全国消費実態調査、家計調査、家計研パネルといったデータを利用して丁寧にみていったものだ。アメリカでは、「上位1%が全世帯の○%の富をガメてやがる、いい加減にしろ!」というのがひとつの研究の流れを作っているが、日の場合、アカデミズムの外で「格差」問題が大きく取り上げられて久しいが、真剣な研究

    hahnela03
    hahnela03 2013/09/23
    実際に「不平等が拡大しているのか?」「どの観点(賃金、所得、消費)で拡大しているのか?」といった質問に丁寧に答えていくことは非常に価値がある。
  • 経済関係雑記帳: ニュー経済財政諮問会議の役割

    8.05.2013 ニュー経済財政諮問会議の役割 参院選挙が終わりいわゆるねじれが数年ぶりに解消した。この間、金融危機とそれに続く世界的な不況や大震災など政局の混乱が外的ショックと交錯する苦しい時代があった。経済財政諮問会議は昨年の安倍政権の発足後すぐに活動を再開したが、骨太方針からはじまり予算編成につながる一年のルーティンがようやく軌道に乗ったところである。 小泉政権時代に構造改革という名前とともに一世を風靡した当会議も時代の変遷とともに役割を変えてきている。小泉政権下から第一次安倍政権のころまでの経済財政諮問会議は2名の経済学者と2名の財界人によって構成される民間議員の提案とそれに対する政府内のリパーカッション(規制改革や郵政民営化など)を主旋律としてマスコミを巻き込み政権の推進力となっていた。2008年以降の大きな景気後退によって、「構造」より現下の経済状況に焦点が当たるようになると

    hahnela03
    hahnela03 2013/08/05
    単純に「小さな政府志向」はもはや時代遅れになってしまった。強烈な不況を経て政府の役割が見直され、積極的な産業政策や雇用維持のための補助金などに対する見方は180度転換したように感じる。
  • 経済関係雑記帳: 経済学者とエコノミストrevisited

    4.11.2013 経済学者とエコノミストrevisited 経済学者とエコノミストの違いについて久しぶりに書いてみようと思う。 経済学者もエコノミストも同じ経済を見ているのは間違いなくて、でも書くものは大分違っている。で、勉強しはじめの頃はなんでもっと統合されないのかと思っていたが、土台無理な話だと今は思う。 多くの経済学者にとって経済はデータを生み出すもの、Data Generating Process(DGP)でしかない。まあ、こういうと反発があるかもしれないけどだいたいの経済学者にとってはそうだろう。データそのものを解析するか、なんらかのモデルを使ってデータが出てくる仕組みを解析するか、等々の違いはあれどそれを使ってなんらか面白いことをやってやろうというのがモチベーションだろう。対して、エコノミストは現在の経済の動きを捉えるための足がかりとしてデータを見る。正直足元の経済の動きも将

    hahnela03
    hahnela03 2013/04/12
    経済学者もエコノミストも同じ経済を見ているのは間違いなくて、でも書くものは大分違っている。モチベーションの違いは使う道具にも反映される。
  • 経済関係雑記帳: 総裁のボール

    4.05.2013 総裁のボール 黒田総裁の会見要旨を読んだ。 これだけの規模の緩和をやると記者から当然のように「財政ファイナンスではないのか」という質問が来る。黒田総裁は前々から1月の政府との共同声明における政府の財政健全化への取り組みへの期待を口にしているが、今回も同様に 1 月に公表した「共同声明」において、政府は、「日銀行との連携強化にあたり、財政運営に対する信認を確保する観点から、持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進する」としているわけです。当然、日銀行としては、こうした取組みが進んでいくことを強く期待しています。 と述べている。これは白川総裁のロジックと結構異質である。白川総裁は、「企業の成長期待」→「デフレ脱却」というのを中心に考えていて、企業の成長期待は人口減や海外を含めた市場環境の変化に対応するための政府の成長戦略が重要だと度々述べていた。黒田総裁は「イ

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    hahnela03 2013/04/08
    こちらも「異次元」の超高齢社会を迎える中で社会保障経費の削減と増税をセットで行うのは相当な実行力が必要だろう。
  • 経済関係雑記帳: 量的緩和

    hahnela03
    hahnela03 2013/04/05
    今回(13年4月4日)操作目標を、無担保コールレート(オーバーナイト物)からマネタリーベースに変更。前回(2001年3月19日)無担保コールレート(オーバーナイト物)から、日本銀行当座預金残高に変更
  • 経済関係雑記帳: 直線番長の何が問題か

    3.07.2013 直線番長の何が問題か https://twitter.com/equilibrista/status/309472761120702464 御大のいつもの御説にいつものツッコミがきまっているわけですが。 僕は金融政策の実務も貨幣経済学も時系列分析も素人なので細かいことはつっこみません。ただ、通常の真面目な学部生~院生でも突っ込むべきところは山ほどある発言なのですよね。 まず、このモデル、インフレ率を定数項と2年前のマネーストック増加率で回帰しているわけですが、この単純なモデルがベストであるという証拠がない。まず、疑いたいのが時系列分析なら当然ラグ項やらマネーストックの他の期の増加率を入れたほうがいいのではないかということ。このモデルの目的は現下の金融政策を所与とした上での将来のインフレ率の予測でしょうから予測力が高いほうがいいので何種類もモデルを比べた上で特定の基準を使

    hahnela03
    hahnela03 2013/03/08
    予測力が最大だとします。その上でモデルを解釈するときにやっぱりおかしいなって思うわけです。直感的におかしいモデルはやっぱりどこか間違っていると考えるべきだと思います。 /暗黒卿の理力の為せる業
  • 経済関係雑記帳: 「日本経済」学者

    2.17.2013 「日経済」学者 こういう記事とかこういうインタビューとかで日経済についての海外一流学者の考えが出ると、「我が意を得たり」とテンションがあがったり「自分の考えと違うな」とテンションが下がったりするのはある程度は仕方ないことだと思う。ただ、日で生まれ育って毎日日経済の情報に接している人間が、日経済に対する直感において彼らに劣るなんてことはないと僕は信じる(学問的にフォーマラズする能力は落ちるかもしれない。少なくとも僕は)。Anil KashyapやRobert Dekleみたいな昔から日を見ている人はともかく、日経済に関する論文が0もしくは1しかないような学者に対しては、名前に負けず正々堂々と「お前はわかっていない」と言えるようになりたいと思う。 思いを強くしたのは、翁邦雄氏の「ポストマネタリズムの金融政策」を読んでからだ。彼はバーナンキを始めとする経済学者の

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    hahnela03 2013/02/18
    海外一流学者の考えが出ると、「我が意を得たり」とテンションがあがったりしかないような学者に対しては、名前に負けず正々堂々と「お前はわかっていない」と言えるようになりたいと思う。
  • 経済関係雑記帳: correction

    2.05.2013 correction 私の理解が間違っていなければそもそも総裁と副総裁の任期がずれたのは5年前の衆参ねじれによる政争の結果である。当時、総裁人事の連続否決によって、後任の総裁が決まらないまま福井総裁がやめるという異例の「大空位時代」が生まれ、副総裁であった白川総裁が代理を務めた経緯がある。今回の前倒し辞任は国会の混乱によって生じたずれを自らの任期を返上することで正すもので「尻拭い」的な印象が強い。 それを政府とのネゴの結果だというのは勝手だが、ウラを取っていない限り憶測に過ぎず、素直な任期のずれの修正ととるのが自然ではないか。 ポストに拘泥せず次期ボードメンバーへの円滑な移行を図る一人のプロフェッショナルの決断に素直に感動した。 投稿者 dm 時刻: 12:31 0 件のコメント: コメントを投稿

    hahnela03
    hahnela03 2013/02/06
    素直な任期のずれの修正ととるのが自然ではないか。ポストに拘泥せず次期ボードメンバーへの円滑な移行を図る一人のプロフェッショナルの決断に素直に感動した。
  • 経済関係雑記帳: 期待しあう政府と日銀

    1.23.2013 期待しあう政府と日銀 1月21-22日の金融政策決定会合で日銀行は物価安定目標を導入した。同時に政府と共同で「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日銀行の政策連携について」という声明を発表した。 政府はこの間、1月11日に緊急経済対策をとりまとめている。その中で、冒頭の2ページで デフレからの早期脱却に向けて、政府と日銀行の連携を強化する仕組みを構築する。その際、明確な物価目標の下で、日銀行が積極的な金融緩和を行っていくことを強く期待する。こうした取組に加え、為替市場の動向については、引き続き注視し適切に対応する。 とし日銀に「物価目標」の導入と積極的な金融緩和を強く期待している。 呼応するかのように物価安定目標を導入した日銀はしかし、同時に公表文において 日銀行としては、大胆な規制・制度改革など「共同声明」に記載された政府の取り組みがしっかりと

    hahnela03
    hahnela03 2013/01/24
    積極的な金融緩和にせよ、財政・規制改革にせよ言うはやすし行うは難しであることはこの20年の教訓である。具体的な方策もなしに相手に成果を要求するのはダメ上司の典型例である。/リフレ派はそうなんだもの。
  • 経済関係雑記帳: 補正予算 A Closer Look

    1.15.2013 補正予算 A Closer Look 緊急経済対策の裏付けとなる補正予算が閣議決定された。 まずは、財源からみていきたい。財源は補正予算フレームに記されている。 税収、税外収入の上振れが計約4000億円。前年度剰余金が9000億円弱。 公債発行が5兆円に、年金の国庫負担金のための2.6兆円を合わせて7.6兆円。 1.1兆円あまりの「前年度剰余金受入 (復興財源)」はそのまま復興特会に繰り入れられる。 結果として特例公債は減額、建設国債が5.5兆円程度増加する。 歳出の中身は、「平成24年度補正予算の概要」に記載されている。来は予算書をみたいところだが、まだ載っていないようである。 まず東北大震災からの復興のために1.6兆円。うち1。3兆円程度は来年度の復興財源になる。うち1兆円は復興債償還のための経費なのでそのまま使われるわけではないことに注目したい。

    hahnela03
    hahnela03 2013/01/16
    経済対策を額やGDP比で評価する向きも多いが、道路整備に1兆円と医療費の軽減1兆円、次年度も使える基金に1兆円では話が違う。
  • 経済関係雑記帳: 「経済学の間違い」?

    11.11.2012 「経済学の間違い」? 麻生総理の主席秘書官を務められ、現在は復興庁で指揮を執られている岡全勝さんは現職の官僚の方のなかで特に尊敬している方の一人でいつもウェブ日記を楽しく拝読しているのだが、今日の日記にはやや異議を申し立てたくなったので書いてみることにした。 (経済学の「間違い」) 佐伯啓思著『経済学の犯罪―稀少性の経済から過剰性の経済へ』(2012年、講談社現代新書)を読みました。[...]佐伯先生の見立ては、これまでの経済学は、需要はいくらでも発生するという前提に立っていた。これが間違いである、というものです。そして、供給の規制を撤廃し自由競争を導入すれば供給が伸びるという、新自由主義経済学を批判されます。 さらに、市場経済の基命題=「自由な競争市場こそは効率的な資源配分を実現し、可能な限り人々の物的幸福を増大することができる」を批判されます。この命題が成り

    hahnela03
    hahnela03 2012/12/01
    経済学は間違っているかもしれないが、そこまで初歩的なところでは躓いていないことを理解してもらえるよう精進していきたいと思う。
  • 経済関係雑記帳: 消費税ってどうなってんの?

    hahnela03
    hahnela03 2012/04/03
    そもそも財政改革のメインテーマは膨張する社会保障支出をどう確保するかということ、より長い目で見れば小泉政権後に吹きあがった「格差社会」論に対して、「再分配強化」という解答が与えられたともいえます。
  • 経済関係雑記帳: 約束された低成長(国家戦略会議第2回)

    hahnela03
    hahnela03 2012/03/14
    マネタリーな部分での政策が起爆剤になるという議論も散見されますが、きちんとモデルに組み込んで提示しない限りはなかなか堅い議論はできないですよね。
  • 経済関係雑記帳: 05.2011

    hahnela03
    hahnela03 2012/03/10
    Yano, Iida, and Wago(2010)この論文には「なぜそのようなターゲットをおいたのか」とか「ゼロ金利下でどうすればインフレ率を高めることができたのか」といった「政策的」視点が欠けているように思えます。
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