ショパンのふるさと、ポーランドで10月に開かれた「ショパン国際ピアノコンクール」で、日本人として過去最高位の2位入賞という快挙を成し遂げた反田恭平さん。 帰国後、NHKの単独インタビューに応じました。 そこで語られたのは、日本のクラシック音楽界の未来に対する危機感です。 27歳の若手ながら、みずから業界を変えていきたいと、ピアニストに留まらない型破りな活動を続けてきた反田さん。 “理想の音楽家像”と、次なる夢を伺いました。
コンサート中に脳出血で倒れ、2年を超える闘病生活を経て左手のピアニストとして復帰を果たし再び世界的に活躍している舘野泉さん。その表現力に魅せられて国内外の作曲家が左手のためのピアノ曲を書き続けている。何があっても途切れなかった音楽表現への思いを聞いた。(文・安田奈緒美) ◇ --フィンランドの南部、タンペレでの演奏会の途中に倒れられて10年以上ですね 舘野 2002年の1月9日でした。リサイタルの日、ステージで弾きながら調子が悪くなり、なんとか弾ききって最後、お辞儀をして数歩歩いたところで倒れました。そのままタンペレの病院に5日間、その後自宅のあるヘルシンキに2カ月間入院しました。 《診断は脳出血。一命は取り留めたが右半身がまひしていた》 --闘病中、何を思われましたか 舘野 自分ではあまり切羽詰まった感じがなかったですね。悩み苦しまれたのでは?と尋ねら
透徹した音色に濃密な詩情を響かせ、作品の奥深くにつづられた作曲家の名状しがたい思いを鮮やかに映し出す。ピアニストの田部京子(44)は、じっくりと作品に正対して音楽のあるべき姿を探究し、目の詰んだ織物が多様な彩りの調和で精妙な表情を示すように、霊妙な響きの移ろいを自在に操って、心のひだが織りなす細かな陰影さえも克明に描き出していく。 「音楽に対する敬愛の気持ちが高まるほどに、作品からのメッセージが強く感じられるようです。作品に込められた思い、世界観をきちんと受け止め、そこから感じ取られたものをどのように表現し、いかに伝えるかを探るのが演奏家の務めです。作品を自分自身の中に取り込み、自分の胸からわき出てくるものが、作曲家が思い描いた理想と、どう響き合っているかを見つめなければなりません」 31歳で早世し、生への限りないあこがれや逃れようのない孤独感をしたためたシューベルトを取り上げ、早くから第
Q:今度の東京公演のプログラムについてお聞きします。まず最初の「ワルトシュタイン」ソナタはベートーヴェンの傑作のソナタの一つですが、日本の聴衆に何かコメントをお願いします。 アンスネス:この曲は本当に名曲ですし、その構成の多様さには目を見張るものがあります。第1楽章はリズムと短いエネルギッシュな主題の上に構築されています。第2楽章は最終楽章への導入となっていますが、基本的に旋律がなく、様々な和音と短い「呼び出し」主題と不安な感覚から成りたっています。一方、最終楽章はペダルを使って歌う長い旋律線による雄大さとでもいうべき見事な情感を持っています。この部分は、よりエネルギッシュでドラマチックな楽節と対照をなしています。曲はコーダでクライマックスを迎えますが、そのコーダはユーモアとベートーヴェン独特の有機的な要素と意外性のある要素との驚くべき交錯に満ち溢れています。 Q:プログラムをよくみるとバ
アーノンクール指揮ウィーン・フィルとのザルツブルク公演を成功裡に終え、3月のノルウェー室内管との来日公演がますます楽しみになってきました。 現地取材をした青澤隆明さんによるインタビューの中で、日本で演奏予定でもあり、ザルツブルクでも喝采されたモーツァルトのピアノ協奏曲23番を含め、アンスネスがモーツァルトの音楽について語ってくれました。 モーツァルトの誕生日をまえに、アンスネスがザルツブルクで語ったこと ~アーノンクールとモーツァルト 「モーツァルはどこにいるかって? ここはザルツブルクだから、いたるところにいるような気がする。このカフェはザルツブルクでいちばん古いから、もしかしたらモーツァルトがそこの席に座って、なにか書いていたかも知れないよ」。 1705年創立のカフェ・トマセッリの席に着いて、レイフ・オヴェ・アンスネスが愉快そうに言う。明日は2010年1月27日、モーツァルトの254歳
連載第9回目は、中学・高校の数学科の教師をしながら、2005年ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリに輝き、以後ピアニストとして活躍中の金子一朗先生をお迎えします。金子先生のピアノ人生を変えたのは、39歳のときの左手人差し指の怪我だったとか。「二度とピアノが弾けなくなるかもしれない」という危機感が、再度ピアノに熱中する転機となりました。金子先生のピアノとの向き合い方と演奏へのアプローチ、そしてステップアドバイザーの魅力についてうかがいました。 東京都生まれ、早稲田大学理工学部数学科卒。早稲田中・高等学校数学科教諭。2005年ピティナ・ピアノコンペティションソロ部門特級において、グランプリ(金賞)および聴衆賞、ミキモト賞、王子賞、日フィル賞、文部科学大臣賞、読売新聞社賞、審査員基金海外派遣費用補助を受賞。これまでに、東京フィルハーモニー交響楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響
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