金星上空に到着し、周回軌道に入るため逆噴射する探査機「あかつき」のイメージ図(宇宙機構、池下章裕氏提供) 今年5月に鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた金星探査機「あかつき」は7日、金星の周回軌道に投入される。成功すれば、地球以外の惑星を回る日本初の人工衛星となる。金星の大気と気象の謎解明に向けた計画は正念場を迎える。(小野晋史) 「あかつき」は7日午前9時ごろ金星に最接近し、周回軌道に入るためメーンエンジンを逆噴射する。噴射は12分間の予定で、最低でも9分20秒は噴射しなければならない。失敗すると次の投入機会は数年後となるため、チャンスは事実上、この1回だけ。最も緊張する瞬間だ。 このとき、地球とあかつきの距離は約6400万キロ。電波の往復に約7分かかり、データや命令をやりとりすると間に合わないため、逆噴射などの軌道投入作業は事前に送信したプログラムに基づき、あかつきが自律的に