米・ハワイのケック天文台の観測から、遠方宇宙の4つのクエーサーが見つかった。重力レンズ効果で作られる4重像とは違い、別々のクエーサーが4つ近接するようすが見つかったのは初めてだ。それぞれの中心には活発な超大質量ブラックホールが存在している。 【2015年5月21日 W. M. Keck Observatory】 クエーサーとは、銀河中心の巨大質量ブラックホールに周囲の物質が落ち込み、莫大なエネルギーを放出して光る天体だ。数千億個もの星を持つ銀河全体の数百倍以上という明るさで輝く、宇宙でもっとも明るい天体だが、そのような輝きを放っていられるのは、銀河の一生のうちのわずかな一時にすぎない。そのためクエーサーはきわめて珍しく、数億光年離れて存在しているのが普通である。 クエーサーが存在する領域。白矢印がクエーサー、青い部分が巨大ガス雲(提供:Hennawi & Arrigoni-Battaia,