アルマ望遠鏡はすでに画期的な成果を数多く届けてくれていますが、特殊な観測形態としてヨーロッパやアメリカにある別の電波望遠鏡とつないで運用することで、その能力をさらに飛躍的に高めることができます。大きく離れた地点にあるアンテナを結合させてひとつの電波望遠鏡とする技術を、超長基線電波干渉法(Very Long Baseline Interferometer、VLBI)と呼びます。アルマ望遠鏡はそれ自体が複数のアンテナを結合させた「干渉計」ですが、さらにほかのアンテナと組み合わせることで、地球サイズの電波望遠鏡として機能します。 この試みはまだ実験段階ですが、Event Horizon Telescope(EHT)の実現に向けた重要な一歩です[1]。EHTではアルマ望遠鏡をはじめ世界のミリ波電波望遠鏡を結合させて、天の川銀河の中心にある超巨大ブラックホールをこれまでにない解像度で観測することを目