保護者らへの愛着が感じられない「愛着障害」。発達障害と混同されやすく、支援の遅れが課題となっている子どもの愛着障害について、和歌山大教育学部の米澤好史教授が兵庫県加古川市の兵庫大で講演した。要旨は次の通り。(鈴木久仁子) 愛着とは特定の人との間で結ぶ、情緒的な心の絆のこと。特定の人とは、恐怖や不安から守ってくれてほっとできる人や、離れていても帰って来たら話を聞いて認めてくれる人。そうした人たちとの絆をきちんと結べていないのが、愛着障害だ。愛情が欲しいときに得られず、欲しくないときに無理強いされると、後天的に心理的な問題として引き起こされる。先天的脳機能障害の発達障害とは全く違う。 原因は愛情の行き違い。両者の関係性の問題だ。施設での養育、産んだ母親の育て方、ひとり親家庭、母親の就労などが原因ではないか-と誤解されることも多いが、いずれも間違い。誰にでも起こり得る。 家族でも家族以外でも、誰
豪雨や台風が相次いだ今夏、兵庫県宍粟市が姫路・西播地域では突出して多い計5回の避難勧告を発令した。早めの避難が意識付けられる一方、大きな被害がない“空振り”が続き、勧告に従う人が徐々に減少。災害時の被害拡大に懸念が広がる。勧告をどう受け止め、どう行動すればいいか。県立大環境人間学部(姫路市)の木村玲欧准教授(43)=防災心理学=に聞いた。 -宍粟のように避難勧告が相次いだ事例はあるか 1982年7月の長崎水害が有名。12日間に4回の大雨洪水警報が発表されたものの被害がなく、5回目に1時間187ミリの大雨が降り、299人が亡くなった。最初の4回で住民が慣れてしまった。避難指示を聞いたのは全体の7・4%でそのうち避難したのは27・3%しかなかった。 回数が増えることで避難疲れが出て「逃げて損した」という感覚が生じてしまう。心理学でいう「おおかみ少年効果」だ。本当に危ないときにうまく逃げられない
文部科学省は2018年度から、発達障害などを対象にクラスに在籍しながら特性に応じた授業を別途受ける「通級指導」を、従来の小中学校に加え高校でも導入する。これを受け、兵庫県教育委員会は、県内全域で複数の県立モデル校を指定する方針を固めた。地元の小中学校と連携し、学びの連続性を確保する。 県教委によると、学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(ADHD)など、公立小中学校での通級指導対象者は年々増え、2017年度は約2700人と、06年度の約4倍に上る。 一方で、進学で特別支援学校に行くかどうか判断に苦しんだり、高校での支援を不安に思ったりするケースもある。そのため、文科省の専門家会議が16年3月、高校での通級指導を進言し、導入が決まった。大半の授業を通常学級で学び、人間関係やコミュニケーション力をはじめ学習・生活上の困難を改善する授業を別に受ける。 文科省の方針を受け、県教委は17年11月、中
「言葉が難しくても、絵を見ながら大切なことを感じてもらえたら」と話す永原郁子さん=三木市立三木特別支援学校 障害のため、人との適切な距離が分かりづらかったり、気持ちを抑えるのが難しかったりする子ども向けに「性」について易しく解説した本「かっこよくいきる すてきにいきるための5つのお話」を、神戸市北区のマナ助産院院長、永原郁子さん(60)が出版した。発達障害や知的障害のある子どもが性被害に遭う事件は後を絶たず、望まない妊娠をするケースも。本は絵をたくさん使い「親しい人は腕の半分の距離」「下着を着けているところは大切なところ」などと説明。「自分や大切な人を守る気持ちを、親子や学校で一緒に考えるきっかけになれば」と話す。(広畑千春) 永原さんは1993年に助産院を開き出産や産後ケアに携わる傍ら、2000年に性教育グループ「いのち語り隊」をつくり、学校園など年間200カ所以上で活動。約7年前からは
職場の同僚や部下の障害への理解を深める「精神・発達障害者しごとサポーター」の養成講座が29日、神戸市中央区東川崎町1の神戸クリスタルタワーであった。厚生労働省は2017年度中に全国で約2万人を養成する計画で、兵庫労働局は今後も兵庫県内各地で開催する。サポーターを増やすことで、障害者が働きやすい職場づくりを促す。 厚労省によると、ハローワークを通じた障害者の就職件数はこの10年で倍増した。うち精神・発達障害者の割合は06年度に15・3%だったが、16年度には44・4%と大幅に増え、兵庫も同傾向にある。 ただ、精神障害や発達障害は目に見えにくいため、周囲の理解が得られにくい面がある。特に発達障害は、大人になってから気づくこともある。職場にうまく適応できずに短期間で辞めるなど、就労後の定着が大きな課題になっている。 養成講座は約2時間で、精神保健福祉士や臨床心理士ら専門の職員が講師を務める。兵庫
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