熊本地震の被災地で図書館司書らが「地震の記録」となる資料の収集に奔走している。本や雑誌だけでなく、捨ててしまいがちな避難所の貼り紙やチラシも保存する。次の災害に備えて「生きた経験」を伝え、生かすためだ。 震度7が2度襲った熊本県益城町。10月に再開した町図書館に「地震の記録」の展示コーナーができた。「トイレそうじのお手伝いをしてくださる方 大歓迎」「ガソリンあり タバコ注意」「食事は腹八分目に」――。避難所にあった貼り紙からは、感染症防止のために必要な仮設トイレのそうじの手が足りなかったり、不案内な場所での喫煙で危険な状況が生じたり、栄養が偏りがちな食事で体調を崩したりといった課題が見えてくる。 全国から届いた絵手紙や折り紙、芸能人らがうちわや段ボールに走り書きした激励の言葉も壁一面に展示。子どもや高齢者向けの行事案内、避難所運営のノウハウを書いた書類もある。支援物資のトイレットペーパーな