一人で留守番をする時に「ねずみにひかれないように!」と声をかけられた経験はありますか?初耳の人もいるかもしれません。辞書の中には「ねずみにひかれそう」=【家の中に1人きりで寂しく心細い様子(親しみをこめてからかう時に用いる)】と説明するものがあります。実は、江戸中期の国語辞書『俚言集覧』にも載っているほど古い表現なのですよ。しかし、なぜこのような言い回しが?「ひかれる」とは「引かれる」?「惹かれる」?「轢かれる」?想像が膨らみますが、これは「ねずみが塩を引く」という慣用句に由来すると考えられています。昔は、戸棚に入れておいた物がねずみに食い荒らされ、いつの間にかなくなるという事がよくありました。一度に"引く"量は少なくても度重なると大量になる、そこから【ささいな事でも繰り返すと大事になる】【大量にあった物が、最後になくなってしまう】ことを慣用的に「ねずみが塩を引く」というのです。つまり、「