裁量労働制に関わる不適切データ問題を検証してきた上西充子法政大学教授が6月21日、都内で「労働立法における統計調査の読み方」について講演した。データの真偽を見極めるには「情報は出典を確認する」「人と協力して進める」などが重要と語った。日本労働弁護団が主催した。 ●データ撤回までの経緯 安倍首相が1月、国会で「裁量労働制で働く方の労働時間の長さは一般労働者より短いというデータもある」と発言したことが発端だった。 上西教授は、比較対象となった一般労働者については、未公表のデータを使い、不適切な計算式による加工を施した上で算出された数値だったことを突き止めた。 ネットの連載記事でこの問題を指摘し、立憲民主党の長妻昭衆院議員とメールのやり取りを重ねるうちに、データ問題を扱う野党合同ヒアリングに同行することになった。上西教授の分析を元に、長妻議員が厚生労働省を追及する形で真相究明が進んだという。 ●