「ふたつよいことさてないものよ」とは、河合隼雄さんの著書『こころの処方箋』(新潮社・1998/6)で紹介されている言葉です。 こころの処方箋(新潮文庫) 作者:河合 隼雄 新潮社 Amazon 私は「法則」は好きでないが、それでも割と好きなのが、「ふたつよいことさてないものよ」という法則である。 「ふたつよいことさてないものよ」というのは、ひとつよいことがあると、ひとつ悪いことがあるとも考えられる、ということだ。抜擢されたときは同僚の妬みを買うだろう。宝くじに当るとたかりにくるのが居るはずだ。世の中なかなかうまくできていて、よいことずくめにならないように仕組まれている。 《中略》 それでも、人間はよいことずくめを望んでいるので、何か嫌なことがあると文句のひとつも言いたくなってくるが、そんなときに、「ふたつよいことさてないものよ」とつぶやいて、全体の状況をよく見ると、なるほどうまく出来ている
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