ブックマーク / yohei22.com (20)

  • Jクラブの2013年度決算から見えるクラブライセンス制度(財務基準)のクリア状況 - 22番の蹴球ファカルティ

    2013年度のJクラブの決算が出揃い、Jリーグの公式サイトにも資料がアップされた(一番下のJクラブ個別経営情報開示資料)。 クラブ経営に関してはこれまでも何度かエントリーをあげてきており、今回も新しい情報をもとに経営的に危ないクラブを取り上げていく。 参考エントリー 横浜Fマリノスは日産の追加支援があっても債務超過を解消できると思えない クラブライセンス制度(財務基準)の実効年度開始 危ないクラブまとめ クラブライセンス制度のおさらい Jリーグはクラブの経営基盤の強化と安定化のためにクラブライセンス制度を運用しており、基準に抵触するとJクラブライセンスが交付されないなどのペナルティが待っている。 基準は競技に関するものなど5種類にわかれており、その中に財務基準というものがある。 財務基準をクリアするための要件は以下の2点に集約される。 2012年度以降、3期連続で当期純損失(赤字)を計上し

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    hariopip 2014/08/04
  • コスタリカの「負け方」に日本を被せるのが妥当とは思えない - 22番の蹴球ファカルティ

    ご存知の通り日は2014ブラジルW杯でグループリーグ敗退。1分2敗の勝ち点1、得点2に対し失点6という数値は「惨敗」という表現を使って異論ない結果だろう。 これでザッケローニ体制の4年間のプロジェクトは幕を閉じた。筆者は日のグループリーグ3試合をすべて現地で観戦し、少なからずショックを受け帰国の途についた。ただ、コロンビア戦の敗退から2週間が経ち、時間という薬が少しずつ敗戦のショックを和らげてくれていることを実感しつつある。この4年間の総括をして次につなげようという巷の流れに徐々に乗っかっていこうと思う。 2014年6月24日 日VSコロンビア@アレーナ・パンタナールにて試合終了後筆者撮影 自分たちのサッカーという曖昧さ どうやら日サッカーを取り巻く空気は「自分たちのサッカー」なんて糞らえ、のようである。日が基準としているプレーモデルについて具体的な言葉を使わず、「自分たちのサ

    コスタリカの「負け方」に日本を被せるのが妥当とは思えない - 22番の蹴球ファカルティ
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    hariopip 2014/07/10
    真摯で希望に満ちたフットボーラー的な次なる4年の展望
  • [書評] フチボウ―美しきブラジルの蹴球 - 22番の蹴球ファカルティ

    フチボウ―美しきブラジルの蹴球posted with ヨメレバアレックス ベロス ソニーマガジンズ 2006-05 Amazon楽天ブックス ブラジルをブラジルたらしめているものは何か。 「ブラジル人」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。多くの人が「サッカー」と答えるのに違いない。そして言下には「サッカーが上手い」という共通認識がある。書にも以下のような記述がある。 "ブラジル人サッカー選手"という言葉は、"フランス人シェフ"や"チベットの僧侶"と同種の慣用句だ。生来の才能とは別に、国籍が職業上の権威や適性の決め手となっている。(P.24から引用) では、ブラジル=サッカー(フチボウ)という印象はどこに端を発しているのか。ブラジル人はいつから我々が想像するような「ブラジル人」であったのだろう。これは歴史学や社会学の領域でもある「文化」という得体のしれない存在に迫る壮大な問いである。 この壮

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    hariopip 2014/05/07
    ブラジルの強さはこの自由を絡み合ってて、参考にできるけど、日本では真似できないのかなと予想している。結局サッカー文化で負けてるって話
  • [書評] Emergence of self-similarity in football dynamics(サッカーの試合展開をフラクタル理論で解明) - 22番の蹴球ファカルティ

    サッカーの試合の中にフラクタルが存在することを実証。 2014年2月、山梨大学の木島章文准教授、同大の島弘幸准教授、北海道大学の横山慶子博士研究員、名古屋大学の山裕二教授による論文Emergence of self-similarity in football dynamics(英語PDF)がEuropean Physical Journal Bにオンライン掲載された。 日語のプレスリリース(PDF) 横山慶子研究員と山裕二教授は2011年にも論文「サッカーゲームにはハブがある」を発表しており、サッカーと複雑系科学の関係を実証的に明らかにする先進的な研究をしている。 参考:[書評] サッカーゲームにはハブがある 今回発表された論文では、サッカーの試合における複雑なダイナミクスの中にフラクタルが存在することを実証した。 フラクタルといえばヴィトル・フラーデ教授による戦術的ピリオダイゼ

    [書評] Emergence of self-similarity in football dynamics(サッカーの試合展開をフラクタル理論で解明) - 22番の蹴球ファカルティ
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    hariopip 2014/04/28
  • 「ボトムアップ理論で子どもの自主性を伸ばす!!」畑喜美夫氏セミナーレポート - 22番の蹴球ファカルティ

    4月21日に御茶ノ水で開催された畑喜美夫氏による「ボトムアップ理論で子どもの自主性を伸ばす!!」セミナー(主催:ジュニアサッカーを応援しよう)を聴講してきました。自主性を開放するアプローチとして有効なボトムアップ理論についてセミナーを通じて改めて考えたことをまとめておきます。 ボトムアップ理論とは何か ボトムアップ理論については拙ブログのボトムアップ理論はプレイヤーズ・ファーストを具現化する新しい指導の形に詳しく書きましたのでよろしければご覧ください。冒頭の紹介を引用しておきます。 プレイヤーは練習メニューから公式戦に出場するメンバー、戦術、選手交代などをすべて自ら決定していく。指導者は必要に応じて問題提起などを対話を通じて行いながら、プレイヤーの可能性を引き出すファシリテーターとして機能する。 こういった選手の自主性は部活の中だけで養われるものではなく、日常生活すべてを通じて涵養されるも

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    hariopip 2014/04/24
  • 「バルサ流育成メソッドを学ぶ!」村松尚登氏セミナーレポート - 22番の蹴球ファカルティ

    4月14日に大井町にて「バルサ流育成メソッドを学ぶ!」と題した村松尚登氏のセミナー(主催:ジュニアサッカーを応援しよう)が開催されたので最前席に陣取って聞いてきました。簡単に内容を紹介し、最後に考察を加えたいと思います。 内容は書籍の紹介も含めた3部構成 セミナー開催まではスクリーンには村松さんが監修した『バルセロナの哲学はフットボールの真理である』が大きく投影されていました。そしてセミナーも書の内容を中心に以下のように3部構成で展開されました。 『バルセロナの哲学はフットボールの真理である』の内容紹介 『バルセロナの哲学はフットボールの真理である』の練習メニュー解説 日の育成年代にスペインの育成メソッドは応用できるのか 1部に関しては、拙ブログにて『バルセロナの哲学はフットボールの真理である』のレビューを書いていますのでそちらをご覧いただければ良いかと思います。セミナーでは村松さんが

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    hariopip 2014/04/17
  • [書評] サッカー批評67 お金がなくても強いチーム、お金があっても弱いチーム - 22番の蹴球ファカルティ

    切っても切り離せない成績とお金の関係。 サッカー批評ISSUE67はマネー・フットボール最前線と銘打ってクラブにまつわるお金の話題を特集している。 ただ、特集タイトルと現実は相容れない。 基的に お金がある=強い お金がない=強くはない という相関があることは各所で証明されている。 しかし、「お金がない=夢がない」ということではない。お金がなくても愛されているクラブは多数存在する。誌においても、お金と成績の関係に関するコラムの他に、お金がないクラブの振る舞い方が特集されている。 エントリーではまずお金と成績の関係について誌コラムからさらに踏み込んで考察し、次にお金のないクラブについて、最後にその他の特集について順番に取り上げていきたい。 単回帰分析でも明らかに相関のある人件費と勝ち点 誌P.26-29の「プレミアリーグコストパフォーマンス分析」ではお金と成績の関係が紹介されている

    [書評] サッカー批評67 お金がなくても強いチーム、お金があっても弱いチーム - 22番の蹴球ファカルティ
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    hariopip 2014/03/27
    分析として納得。ただ目的が異なるプレーヤーがいるので一概には言えない。元手があるチームは勝てなくなるとお金で何かを変える、ないチームはお金以外の手法しか試せないから
  • [書評] 崖っぷち社長の挑戦 湘南ベルマーレに懸ける夢 - 22番の蹴球ファカルティ

    湘南ベルマーレ復活劇の舞台裏。 かつては中田英寿、ベッチーニョ、野口、奈良橋と有名選手をそろえ「ベルマーレ旋風」とまで騒がれたベルマーレ。ところがベルマーレは1999年に財政難でクラブ存続の危機に直面する。現在もアビスパ福岡やザスパクサツ群馬など債務超過でクラブ経営の危機に立たされているクラブは存在している(参考:クラブライセンス制度(財務基準)の実効年度開始 危ないクラブまとめ)が、ベルマーレは真っ先にこの危機に陥ったクラブでもある(横浜フリューゲルス除く)。 その危機をいかに乗り切ったのか。いや、まだ乗り切ったとは言えないかもしれないが、財務を見る限りは安泰に見えるベルマーレは、どのようにこの財務基盤を築いたのか。その奮闘記が記されているのが書である。 前半は危機に陥った原因の分析 ベルマーレ固有の話もあるが、どちらかというと行政やJリーグ特有の移籍金制度の撤廃などに関する注文が多い

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    hariopip 2014/03/26
  • クラブライセンス制度(財務基準)の実効年度開始 危ないクラブまとめ - 22番の蹴球ファカルティ

    選りすぐりのサッカー書籍を紹介します。読んだサッカー書籍からオススメの書籍をピックアップし、どのような内容なのか、どのような使い方が想定できるのか、どのようなターゲットなのかをわかりやすく解説します。 いよいよ2014シーズンのJリーグが開幕する。ワールドカップイヤー、久々の超大物フォルラン効果などもあり、サッカークラスターの周辺では一定の盛り上がりを見せている。 さて、2014シーズンといえばいよいよクラブライセンス制度の財務基準による実効支配が始まる年度となる。財務基準をクリアする要点は以下の2点に集約される。 2012年度以降、3期連続で当期純損失(赤字)を計上していないこと 2014年度以降、債務超過に陥らないこと これを守れないクラブはJリーグクラブライセンスを剥奪される。すなわち、J3やJFLなどへの降格である。 Jリーグは全クラブに決算書の提出を義務付けており、サイトで公開さ

    クラブライセンス制度(財務基準)の実効年度開始 危ないクラブまとめ - 22番の蹴球ファカルティ
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    hariopip 2014/03/03
    グラウンドで起こっていることだけでなく、何故そうなっているかの起点に近いクラブの財政状況はもっと知りたいので、ありがたかった。
  • [書評] 欧州サッカー批評09 ペップ・バイエルンに死角なし - 22番の蹴球ファカルティ

    ペップ・バイエルンのメカニズムに識者が迫る。 2013−14シーズンに3冠を達成し、14−15シーズンにはペップ・グアルディオラを監督に迎えたバイエルン。目下のところブンデスリーガでは負けなし、チャンピオンズリーグも順当に勝ち上がり、バルサに代わって欧州最強の名をほしいままにしている。 ペップ就任当初は、バイエルンにバルサのサッカーを持ち込むことが可能なのかという意見もあったが、シーズンの折り返しを迎えた今ではバルサのサッカーどころかさらに進化した姿を見せているという意見が大勢である。 では、ペップ・バイエルンのメカニズムとはどのようなものなのか。そこに切り込んだのが誌である。 ポイントはサイドバックの動き 誌の中で西部謙司氏はサイドバックの動きについてこのように語っている。 左サイドバックのダビド・アラバは通常のサイドバックとは上がり方が違う。タッチライン際を上がることもあるが、もっ

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    hariopip 2014/02/21
  • [書評] 子どもが自ら考えて行動する力を引き出す 魔法のサッカーコーチング ボトムアップ理論で自立心を養う - 22番の蹴球ファカルティ

    自主性を最大限に開放する創発型アプローチの提言。 育成年代の部活やクラブにおけるミッションとは何なのか。根的な問いであるが、普段目の前のトレーニングや試合に没頭していると忘れがちになってしまう。ここがブレると目標設定などもブレてしまうので、しっかりと設定しておくべきである。 果たして、試合に勝つことや大会で優勝することがミッションなのだろうか。 もちろん、そういったミッションもありだろう。一方で、育成年代でサッカーをしている少年、青年の99%以上はプロ選手を目指すわけではない。育成年代におけるサッカーを社会に出て一人の社会人として活躍していくための教育の一環と捉えるのであれば、必ずしも勝つことだけがミッションというわけではなくなってくるだろう。 社会に出て求められる能力とは、いわば自ら問題解決をする能力である。 そのために、 問題を発見し (原因分析から)有効な打ち手を考え 粘り強く打ち

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    hariopip 2014/02/17
  • [書評] 知られざるペップ・グアルディオラ サッカーを進化させた若き名将の肖像 - 22番の蹴球ファカルティ

    ペップとバルサの真のストーリーを紡ぎだす556ページの超大作。 在籍した4シーズンで14個のタイトルを獲得したペップ・グアルディオラ率いるバルセロナ。サッカー史上最強クラブとの呼び声も高く、また同時に「クラブ以上の存在」というクラブの理念は世界中から賞賛されている。 バルサが他のクラブと一線を画すのは、大別して2つの理由によるものだと考えられる。 1つ目は、内容と結果を両方追い求めるということをチャンピオンズリーグのような世界トップレベルの舞台においても体現したことである。 バルセロナのサッカーについては、書においてビクトル・バルデスが的確な表現をしている。 まずは自分たちがボールを持たなければならない。そうすれば相手はダメージを受けるし、こちらはすべてをコントロールすることができる。次に大事なのは、中途半端なポジション取りをして、ボールを失わないようにすること。そういう展開になると、危

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    hariopip 2014/02/12
  • [書評] ドイツ流攻撃サッカーで点を取る方法 - 22番の蹴球ファカルティ

    攻撃の3大テーマをもとに104のトレーニングメニューを図解入りで紹介。 サッカーのプレーが「認知」「判断」「実行」という連続性を持った3つの局面で構成されていることは共通の認識として差し支えないだろう。そしてプレーを支える「フィジカル」「メンタル」を加えた5つがトレーニング領域として存在する。 クラブやチームとしてサッカーをする場合には、「判断」の部分にチームフィロソフィやプレーモデルを導入することが重要視されている。簡単に言えばチームの決まり事のようなものであり、戦術と言い換えることもできる。フィロソフィやプレーモデルがなければ判断の基準がないので、チームの良さを最大限発揮することは難しい。 一方で、それを理解した上でもっと大局的にサッカーを捉えた場合、攻撃シーンはフィロソフィやプレーモデルに関係なく自ずと2つに大別される。カウンター攻撃を仕掛けるか、ポジション攻撃を仕掛けるか、である。

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    hariopip 2014/02/07
  • [2014版] Jリーグにおけるシーズン途中の監督交代は効果があるのか - 22番の蹴球ファカルティ

    選りすぐりのサッカー書籍を紹介します。読んだサッカー書籍からオススメの書籍をピックアップし、どのような内容なのか、どのような使い方が想定できるのか、どのようなターゲットなのかをわかりやすく解説します。 さて、アニュアルな記事をアップデートしておく。 昨年の記事はこちらをどうぞ。 Jリーグにおけるシーズン途中の監督交代に効果はあるのか、過去20年間のデータ検証 ウンチクは昨年の記事に任せるとして、このアニュアルな記事でやりたいことは、シーズン途中に監督交代をして果たして勝ち点は積み上がるのだろうかという定量的な分析である。 2013シーズンにはジュビロ磐田、ロアッソ熊、大宮アルディージャ、ガイナーレ鳥取、FC岐阜、栃木SCでシーズン途中の監督交代があった(漏れていたら教えてください)。これで1993年からの20年間で統計に使えるデータは40件。この40件を使って単純平均の比較と単回帰分析を

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    hariopip 2014/02/03
  • トレーニング・メソッドと学習理論の相似性 - 22番の蹴球ファカルティ

    選りすぐりのサッカー書籍を紹介します。読んだサッカー書籍からオススメの書籍をピックアップし、どのような内容なのか、どのような使い方が想定できるのか、どのようなターゲットなのかをわかりやすく解説します。 昨今、スペインをはじめとする海外の先進的な研究に基づいたトレーニング理論が日でも紹介、流通し始めている。各トレーニング理論に細かい違いはあるものの、概ね共通している点としては次の2つのポイントがあるように思う。 テクニック(実行)だけでなく、その前の認知や判断を重要視すること 知のサッカーでは認知・判断・実行という言葉を使い、『スペインサッカーライセンス講座―「育成大国」の指導者が明かす考えるトレーニング理論』では知覚・判断・実行と呼んでいる。中身は同じである(原語では同じ単語なのかもしれない)。とかくテクニック(実行)が注目されがちな世界の中で、その前に頭の中で起こる認知(知覚)と判断

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    hariopip 2014/01/27
  • 2013年に読んだサッカー書籍50冊から選んだ蹴球ファカルティ的ベスト5 - 22番の蹴球ファカルティ

    2013年2月にブログ開設して、書籍は42冊、雑誌は4冊のレビューを書くことができました。レビューを書いていないものも含めれば50冊以上は読了したことになります。その中から個人的に素晴らしいと感じた書籍を5冊、ランキング形式で紹介したいと思います。 あくまで、2013年に発売したものではなく、2013年に僕が読んだもの、ということでご理解ください。 5位 『I AM ZLATAN ズラタン・イブラヒモビッチ自伝』

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    hariopip 2014/01/07
  • [書評] バルセロナが最強なのは必然である - 22番の蹴球ファカルティ

    フットボールをニューサイエンスのメタファーで切り取った史上最高の解体新書。 書はバルセロナを題材としてフットボールの真髄を科学や哲学の世界の言葉で紐解いたものである。書で頻繁に登場する重要キーワードは相互作用、複雑性、自己組織化、再帰性といったニューサイエンスを代表する言葉であり、還元論、決定論、機械論といった17世紀のニュートン科学のキーワードを否定的に扱っている。 クライフはバルセロナのサッカーを「ボールが的確に選手間を動き続け、選手たちは頻繁にポジションを移すが、チームとしてのバランスは常に保たれる」と表現している。これは自己組織化そのものであり、福岡伸一氏の言葉を借りれば動的平衡である。 これらのニューサイエンスを理解するためには『リーダーシップとニューサイエンス』が詳しい。 ニュートン科学は、唯物論の立場でもある。人の身体的感覚で感知できるものを重視して世界を理解しようとする

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    hariopip 2014/01/07
  • [書評] インテレラショナード・トレーニング - 22番の蹴球ファカルティ

    サッカーは要素還元では成り立たない包括的なものである。 インテレラショナード。聞きなれない言葉であるが、大切な概念を説明している。インテレラショナード・トレーニングとは何か。 書では、サッカーのトレーニングは技術面、戦術面、フィジカル面の3つを強化するものに大別できるとしている。ただし、サッカーという競技の中でそれぞれが個別に発揮されることはなく、複合的に密接に関連している。よって、トレーニングも技術のみなどの個別のトレーニングではなく、複合的、相互作用的に実施することが求められる。 そこで書では、複合的なトレーニングについて以下のような名称をつけて説明している。 (P.19をもとに筆者作成) つまりインテレラショナード・トレーニングとは、フィジカルトレーニングをベースとして技術面、戦術面を加えたトレーニングのことである。 ちなみに、書では技術面などの個別の要素のみを対象としたトレー

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    hariopip 2014/01/06
  • [書評] 4-4-2ゾーンディフェンス セオリー編 - 22番の蹴球ファカルティ

    これまで読んだ書籍の中で戦術についてもっとも詳しく解説している書籍。 書はfootballhackというサッカーブログの管理人であるsilkyskillさんが4-4-2ゾーンディフェンスについてのセオリーをまとめたものである。個人でもKindle用に書籍を発売できる時代になったことを実感する。 まずはじめにお伝えしたいことは、書はゾーンディフェンスの教科書といって差し支えない最高の戦術指南書だということである。481円という破格の安さでここまで精緻に、そして分かりやすくまとめあげた書籍は他には存在しない。ゾーンディフェンスの基である4-4-2システム、各ポジションの役割と基的な動き、スペースの守り方/使い方など、多数の図を用いて分かりやすく解説している。戦術を理解したい人、もっと知的にサッカーを観戦したい人、サッカーについて詳しくなりたい人など、ぜひとも一読をオススメしたい。 ゾー

    [書評] 4-4-2ゾーンディフェンス セオリー編 - 22番の蹴球ファカルティ
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    hariopip 2013/08/22
  • ボトムアップ理論はプレイヤーズ・ファーストを具現化する新しい指導の形 - 22番の蹴球ファカルティ

    選りすぐりのサッカー書籍を紹介します。読んだサッカー書籍からオススメの書籍をピックアップし、どのような内容なのか、どのような使い方が想定できるのか、どのようなターゲットなのかをわかりやすく解説します。 育成年代の指導の現場でボトムアップ理論というアプローチを用いている指導者が少しずつ増え始めていると聞く。僕が携わる大人の世界の育成にもからめて、ボトムアップ理論について整理しておきたい。 ボトムアップ理論とは何か ボトムアップ理論とは、畑喜美夫氏が提唱した、プレイヤーが主導してチーム運営を行う指導方法である。プレイヤーは練習メニューから公式戦に出場するメンバー、戦術、選手交代などをすべて自ら決定していく。指導者は必要に応じて問題提起などを対話を通じて行いながら、プレイヤーの可能性を引き出すファシリテーターとして機能する。 ボトムアップ理論を育成の現場で活用するための体系的な教材もDVD『質を

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    hariopip 2013/08/20
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