3月末、「ジュンク堂書店 新宿店」の閉店に伴って行われた最後のフェアで、同店の売り上げが過去最高を更新した。書店員がそれぞれ、おすすめの1冊を手書きPOPで紹介したフェア。思いのこもった“魂のPOP”が顧客の心を打ち、「書店員の最後の本気」とネットで話題に。多くの客を引き寄せた。 これがきっかけとなってジュンク堂は、ネットと書店の融合を加速。閉店フェア対象書籍と手書きPOPのネット掲載を手始めに、リアル店舗のフェアをネットに再現できるインフラを整備した。ネットストアで品切れの書籍を店頭在庫から取り寄せて発送するサービスなど、店舗を持つからこそできる新サービスも矢継ぎ早に投入している。 「お店でできることが、ネットでできない理由がない」と工藤淳也氏(22)は言う。ジュンク堂創業者・工藤恭孝氏の長男で、グループで書籍のネット通販事業を担うHON、洋書取次の洋販新社の代表取締役と、ジュンク堂プレ