チュニジアから始まったアラブ諸国の民主化運動の波は、エジプトのムバラク政権を倒し、そして今、リビアのカダフィ政権を追い詰めている。 ヨーロッパ諸国も「対岸の火事」だと傍観しているのではなく、民主化勢力を積極的に後押しすべきなのだが、EUもアメリカも時として明確な立場表明をためらってきた。スウェーデンのカール・ビルト外相も、リビアにおける暴力行使を批判するコメントをしたものの「重要なのは、カダフィ政権側を支持するのか、民主化デモ側を支持するのか、ということではなく、秩序と安定性を維持するように働きかけることだ」と発言したために、大きな非難を浴びていた。この発言は2月22日頃のことだったが、両者が対等な立場にあるならまだしも、一方の側が圧倒的な武力によって、もう片方の側を無差別に殺害している状況においては、カダフィ政権をしっかりと非難すべきだっただろう。 ヨーロッパ諸国の政治家のなかには、ムバ