先の記事に対するコメントとして、債務者監獄を提案するようなものがありました。また、池田さんも、「消費者金融については、浪費癖をコントロールできない債務者には金を止めるしかないという論理も成り立ちますが、中小企業が浪費のために資金を借りることはありえない。」と書いています。これらをみると、借り手側に問題の所在があると理解されているのだと思われます。こうした理解は、きわめて常識的なもので、過去の私の経験からも、ほとんどの人が普通はそういう考え方をするようです。しかし、これは問題を考えるフレームとして正しくはありません。 カネを借りることを職業としている人は(一部の詐欺師を別にして)いません。他方、カネを貸す方は、それを職業としています。要するに、借り手はアマで、貸し手はプロだということです。実際、貸し手の方が普通は金融の知識や交渉力の面で借り手よりも優位にあります。そうだとすると、「法と経済学