――今の民主党政権への国民の評価は厳しいものがある。 野中:いわゆる「55年体制」で与党、野党が固定化されたシステムでは、日本政治が立ち行かなくなっていたのは間違いない。自民党による「事前審査制」や官僚の意向がまかり通る状況、政治腐敗など、長期政権によるゆがみはもはや看過できない状態だった。それが「政治改革」の機運が高まった背景だった。 そこで、国民の意思で政権交代し、政治が意思決定すべきところはする。そんな政治システムへの転換が重要視された。小選挙区中心の選挙制度を導入したことも大きいが、「政治主導」を掲げた民主党が政権を獲得したこと自体は、「政治改革」の1つの帰結だったと思う。 ただ、民主党政権の混乱ぶりは目に余る。もう少し、長い目でみていかないといけないとはいえ、政治や政策を変えるためのデザイン設計が不十分だったのは間違いない。統治機構の問題は改善せず、マニフェスト(政権公約)も中途
![「参院改革党」で決められない政治に決別を 第4回 野中尚人・学習院大学教授に聞く:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/05f492a9ba706b05ca8fd61b1840b099fb59fdc9/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fimages%2Fn%2Fnbo%2F2011%2Fcommon%2Fnbologo_ogimage.png)