前回の記事で、和田春樹が2010年を期に「鳩山談話」で韓国併合の「無効宣言」を出せと提案していることに触れた。併合無効については前回記さなかったので、私の立場を書いておこうと思う。 私は併合条約の前提となる1905年条約は君主に対する脅迫があったため成立していない、という説は説得的なものであると考えるので、日本政府は併合無効を承認するべきだと思う。ただ、和田のいう「鳩山談話」は、無効宣言とバーターで日韓間の「歴史問題の完全解決」を図る、つまり一種の「終結」のセレモニーとなる可能性が非常に高い。私は、無効宣言は一つの「始まり」であると考えており、そうした観点から和田の提言に危惧しているのである。「併合無効」なんか宣言したら次は何を要求されるかわからないという右翼の危惧に、「いやいやそんなことありませんよ」と宥めるのが、和田流である。だが私は右翼が恐れるとおりにしなければいけないと思う。あんな