「国文学」の思想―その繁栄と終焉 (学術叢書) 作者: 笹沼俊暁出版社/メーカー: 学術出版会発売日: 2006/02メディア: 単行本 クリック: 20回この商品を含むブログ (4件) を見る 興味のある方はPDFファイルで、ダウンロードしてください。 1 いま書店を見渡すと、サブカルチャーやネット言説を論じる書物が、店頭に並び隆盛期を向かえている。それらは「現代文化」を分析し、またそれに新たな意味を付与することに積極的にみえる。例えば、オタク・ブログ・恋愛・ニート・若者世代・下流社会などであろう。そのような動きのなかで、埋没してしまったのが「文学研究」である。現代において、「文学」を、あるいは「文学研究」を問い直すことにどれほどの意味があるのか。そのようなジレンマに苛まされることがたびたびある。それは書店の光景だけでなく、アカデミズムにおける現在の風景ともパラレルなものだろう。つまり、