ブックマーク / shinichiroinaba.hatenablog.com (9)

  • 動学的一般均衡理論入門 - shinichiroinaba's blog

    マクロ経済学―動学的一般均衡理論入門 (Minervaベイシック・エコノミクス) 作者: 林貴志出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2012/05/01メディア: 単行 クリック: 45回この商品を含むブログ (6件) を見る ハードコアである。門外漢のための哲学的導入から、正則経済とかマクロのミクロ的基礎、メカニズム・デザインなどの大学院レベルのトピックまで盛り込んだミクロ経済学―静学的一般均衡理論からの出発 (Minervaベイシック・エコノミクス) 作者: 浦井憲,吉町昭彦出版社/メーカー: ミネルヴァ書房発売日: 2012/04/01メディア: 単行購入: 1人 クリック: 82回この商品を含むブログ (3件) を見ると対極をなす。なぜかこっちには解説されているIS・LMが一言もないあたり確信犯である(言い訳はある)。 学部マクロの標準的な内容はほぼ入っていない。ある意

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  • 『AI時代の資本主義の哲学』補足 - shinichiroinaba's blog

    拙著『21世紀の資主義の哲学』ではマルクス、シュンペーター、コルナイの系譜を重視して資主義の(社会主義その他集権的経済と対比したときの)眼目を「イノヴェーションを伴う/誘発する市場経済」とした。市場で競争する企業はただ単に相場(競争的価格水準等)に追随するだけではなく、相場を脱して一時でも独占的地位を享受するために革新に駆り立てられ、そうした志向は時に独占を長期化させて市場における競争をゆがめてしまう危険がある。さりとてそうした独占志向を過度に抑え込もうとすれば革新は停滞してしまう。 またそのような革新のために必要な前提条件は競争的市場だけではない。所有権の安定もまた重要である。所有権の安定は取引の自由の前提条件だが、取引の自由とは取引する自由と取引しない自由の両方を含む。 (個人であれ組織であれ)企業が必要な資源を調達する方法は、市場などを通じて外部からの取引で入手するか、あるいは自

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    harumanachika
    harumanachika 2022/08/29
    "マルクスがかれらを批判したのは、格差の容認についてのみならず、そうした成長ペシミズムについてでもあった。"
  • 高知工科大学特別講義「理工系学生のための現代倫理学入門のこころみ」 - shinichiroinaba's blog

    理工系学生のための現代倫理学入門のこころみ (2021年2月12日 高知工科大学講義「日人の教養」用原稿) 稲葉振一郎(明治学院大学) 1.長めの導入 文系科目――人文科学とは? 高校科目の「倫理」は大体道徳を中心とした日思想史、東洋思想史、西洋思想史をざっと眺めたうえで、現代哲学を道徳哲学=倫理学中心に瞥見し、それにプラスして青年心理学をちょこっと、という変な構成になっている。こんな風になったのにはそれなりに理由があるのだが、それには触れない。 高校時代の地歴公民――昔の社会科というのは変な構成になっている。高校数学は大学以降の数学の準備であり、高校理科の物理・化学・生物もおおむね大学以降の物理学・化学・生物学の準備段階である。しかし高校地歴公民は? 地歴から行こう。世界史・日史は一応大学以降の歴史学の準備になっていなくもない。しかし地理は大学の学問としての地理学への準備というわけ

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  • 関東社会学会第69回大会テーマ部会B「ワークショップ時代の統治と社会記述――「新自由主義」の社会学的再構成」(2021年6月12日)へのコメント - shinichiroinaba's blog

    関東社会学会:年次大会---第67回大会(報告要旨・報告概要:テーマ部会B) *当日コメント ・拙著『「新自由主義」の妖怪』(稲葉[2018])を踏まえていただいて大変光栄であるが『政治の理論』(稲葉[2017])を踏まえていただかないと実はコンテクストが十分にはわからないはず。 ・古いマルクス主義の発展段階論の構図を前提にすれば「新自由主義」概念は一見わかりやすい。すなわち、後期資主義=国家独占資主義が行き詰まり、支配階級たる資家は体制維持のために小さな政府、規制緩和に逆行しようとする。つまりはファシズム同様の反動、資主義の断末摩である、と。 この理解の欠点――いつまでも「断末摩」が続く万年危機論。しかも社会主義の崩壊後もまだやっている。国家独占資主義がそもそも資主義の断末摩で、その後社会主義に移行するはずではなかったか。「新自由主義=ポスト国家独占資主義」とかお前ら真面目

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  • 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』感想(ネタバレ) - shinichiroinaba's blog

    『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公碇シンジは内向的で自罰的なヘタレ、ということになっているが、それは当のことなのか、という疑問はかねてから提起されていた。実際には内向的で自罰的なヘタレは彼の父碇ゲンドウの方であり、権力によってそうした弱さを鎧った父によって一方的に翻弄され虐待される子どもがシンジなのだ、と。実際、料理を含め家事全般をそつなくこなすシンジは、養育者によってかなりよくしつけられており、むしろできすぎた子どもでさえある。彼は周囲から、とりわけ父(の意を汲む組織から)「内向的で自罰的なヘタレ」と決めつけられた上であしらわれ、そこからの脱却という形での成長を促される。それを内面化して引き受けるための自己呪縛が例の「逃げちゃダメだ」なのだ。 ゲンドウがやろうとしていたことが失われた伴侶ユイを取り戻すことでしかなく、そのために全人類を巻き込む陰謀を巡らしていたこと、そのために息子シンジ

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  • Daron Acemoglu, Political Economy of Growth (その1) - shinichiroinaba's blog

    http://econ-www.mit.edu/files/1354 どなたでも計量経済学の素養のある方、突っ込みをお願いします。 スライド1 カルロ・アルベルト大学、パレート講義 成長の政治経済学 ダロン・アセモグルー マサチューセッツ工科大学経済学部 2007年6月 スライド2 世界経済の現状 ・今日の各国間の豊かさにおける巨大な差異 ―サハラ以南アフリカにおける一人当たり所得は平均して合衆国の20分の1 ―マリ、コンゴ民主共和国(ザイール)、エチオピアは合衆国の35分の1 ・何がこうした経済的帰結の相違を説明するか? ・我々は開発と低開発をどうい理解すべきか? スライド3 講義計画 ・この講義は2部からなる。 1.豊かさの源泉:制度は問題である ―制度 対 地理 対 文化 2.成長の政治経済学理論に向けて ―一般的洞察 ―若干のディテール スライド4 第1部 豊かさの源泉 ・アウトラ

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  • 『週刊現代』「わが人生の最高の10冊  No Books, No Life」没仮想インタビュー - shinichiroinaba's blog

    講談社の『週刊現代』から、異例に失礼な扱いを受けたためにここに公表させていただく。 == 9月27日に、『週刊現代』ライターのXさんよりメールで当該誌読書欄の「わが人生の最高の10冊  No Books, No Life」の取材依頼を受けた。以下、依頼メールより適宜引用する。 「お好きな10冊について1時間ほどお話をお伺いし、編集部でまとめさせていただきます。 稲葉先生の読書歴について、興味を持っております。」 「稲葉先生の「10冊」と「最近読んだ1冊」をお教えください。 取材日の1週間前くらいまでに、お教えいただきたいと考えております。 「仕事の糧になった10冊」「学生時代に読んだ10冊」など、10冊の範囲を設定いただいてもかまいません(特に、設定いただかなくても、かまいません)。 漫画や洋書、絵、現在は絶版になっているを選んでいただいてもかまいません。 ただ、読者層が高齢のため(6

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  • アベノミクスについて今更の覚書 - shinichiroinaba's blog

    いうところのアベノミクスの基的な正しさについて考えてみよう。正しいと考えない人は、どのような条件の下でそれが正しいのか、について考えるというところで妥協してみればとりあえずは同じことだ。そのあとでその条件が実際に満たされているかどうか、改めて考えてみればよい。 基的な前提としては、「失われた20年」下の日経済は不完全雇用で、潜在GDPが百パーセント実現されておらず、大きなGDPギャップを抱えていた、というあたりにある。厄介なことに統計上の失業率とGDPギャップ(と潜在GDPの比率)とは完全には一致しない。不況が長く続くと来就業意欲があった人までも求職意欲を失い、労働市場から撤退してしまう。このような人の労働能力による生産への寄与の可能性ももちろん、潜在GDPの一部をなす。だからその推計は難しい。 だからアベノミクス以降の雇用の改善は、失業率の改善だけから見ると過小評価になってしまう

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  • お買いもの - shinichiroinaba's blog

    〈わたし〉はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義 作者: マイケル・S.ガザニガ,Michael S. Gazzaniga,藤井留美出版社/メーカー: 紀伊國屋書店発売日: 2014/08/28メディア: 単行この商品を含むブログ (14件) を見る茨木のり子詩集 (岩波文庫) 作者: 谷川俊太郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2014/03/15メディア: 文庫この商品を含むブログ (11件) を見る市場の倫理 統治の倫理 (ちくま学芸文庫) 作者: ジェインジェイコブズ,Jane Jacobs,香西泰出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2016/02/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見る 娘の合格祝い。

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