「先生,あの…」 「はい何でしょう」 「先日投稿した件ですが,主催の方から受理しましたとメールが来ました」 「ふむ,了解…えっとちょっと待って」 「はい?」 「受理!?」 「はい…受け取りました,みたいな内容で」 「だよなあ」 「…それが何か」 「えっとですね,研究者が『受理』という言葉を使うときは,単に『受け取った』以上のことを意味するんですよ」 「はあ…」 「『受理』というのは,その原稿が,学術論文に値するものとして掲載可ですよというのを表すんです」 「…」 「今回は確か,査読付きですよね」 「はい.そのサドクってのも何か,よく分かっていないんですが」 「『査読』は,研究者間だけの用語かな.審査のことです.その原稿が,そこの学会なり,今回はシンポジウム発表という形ですが,そこでの出版物…予稿集と言いますが…そこに載せていい内容かどうか,時間をかけて,内容をチェックしてもらうんです」 「