国際原子力機関(IAEA)は27日、アジア地域の原子力災害に備えて、原発事故時の汚染監視や測定などを強化するため、IAEA緊急時対応能力研修センターを福島市に開いた。2011年3月の東京電力福島第一原発事故後、IAEAの拠点ができるのは初めて。 センターは、福島県庁近くの自治会館1階の約120平方メートルの部屋につくった。IAEAの職員1人が常駐し、福島第一原発周辺での汚染測定など実地研修のほか、放射線測定器や防護服を備蓄し、実際に事故が起きたときにIAEAが現場で使用する。福島県郡山市で昨年12月にあった原子力安全の国際会議で、IAEAと県がセンター設置で覚書を結んでいた。 県はIAEAと共同プロジェクトについての協定も交わしており、IAEAは福島の拠点を通じて、県が進める放射性物質の監視や除染などの事業に協力する。研修は、海外の原子力政策関係者を招き、定期的に実施するという。