肉類や乳製品などから飽和脂肪酸をとりすぎると、動脈硬化が引き起こされ、心疾患や高血圧症、脳血管障害などの病気にかかりやすくなる。米国では、病気による死亡者の7割が動物性の脂肪のとりすぎが要因と考えられており、また日本でも、糖尿病患者が増えた要因として、脂肪の摂取が増えたことが挙げられている。 しかし、飽和脂肪酸は少なすぎても良くない。日本人を対象とした研究で、飽和脂肪酸の摂取量が特に少ない人では逆に心疾患や脳卒中にかかる割合が高くなることが確かめられた。 また、牛乳などに含まれるカルシウムを毎日とると、大腸がんになる危険性が低下するという研究報告がある。別の研究では、70歳を超える長寿者の食生活を調査したところ、牛乳を毎日飲んでいた人が特に長寿だった。 糖尿病の食事療法の基本は、必要なエネルギーを適切に摂取し、栄養素をバランスよく摂取するよう努めること。特定の食品が病気や健康に与える影響を