■1983…2013:中 1983年4月、東京の郊外に東京ディズニーランドが開園した。いまも年2750万人(ディズニーシー含む)の入場者を集める、イメージによって作られた「夢の国」だ。前年に始まった西武百貨店のキャッチコピーは「おいしい生活。」だった。高度成長こそ終わったものの、ターミナル駅に作られた商業施設は、駅から伸びたニュータウンの人々を豊かな消費文化へと誘った。あれから30年、バブルをへて、かつての「夢の街」の住民たちは還暦を迎え、郊外の活気が失われつつある。 建築家の藤村龍至さんは、「前向きに街をたたむ」ことを提唱している。郊外に点在する公共施設を集約して床面積を減らし、税収不足の自治体でもメンテナンスしやすいようにする。同時に、学校や公民館を集めることで、世代を超えた地域コミュニティーの場にする。現在、人口約7万人の埼玉県鶴ケ島市で、学生と住民との対話を重ねながら、未来の郊外像