さやわか流メディア論的近代日本文学史の本。 『小説神髄』『あひゞき』から始まって『Re:ゼロから始める異世界生活』まで 日本近代文学は、 「文学とは、人の心を描くものである」 「文学とは、現実をありのまま描くものである」 というのが錯覚であること、そしてまたこの2つが矛盾していることに気付かぬままに、突き進んでいった結果、村上春樹が芥川賞を取ることができなかったのだ、という感じ。 序 章 そもそも何が文学なのか? 第一章 1979年の村上春樹 第二章 文学は人の心を描けない 第三章 メディアが作家と文学を作る 第四章 文学のジャンル化 第五章 純文学など存在しない 第六章 文学史が作られていく 第七章 錯覚は露見する 第八章 文学とは錯覚にすぎない 終 章 ある錯覚の未来について あとがき 文学の読み方 (星海社新書) 作者: さやわか出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/09/2