ライター・編集者の飯田一史さんと、『シン・ゴジラ論』を刊行したSF・文芸評論家の藤田直哉さんによる、話題の作品をランダムに取り上げて時評する文化放談。今回は『中間管理録トネガワ』について語り合います。 飯田 『中間管理録トネガワ』(協力:福本伸行、原作:萩原天晴、漫画:根本智弘、三好智樹)は福本伸行先生の『カイジ』シリーズのスピンオフで、チーフアシスタントを務めたスタッフの手による快作。 『カイジ』の第一シリーズに登場する中ボス的存在のトネガワが、実は兵藤率いる極悪な帝愛グループの中では中間管理職にすぎず、間の抜けた黒服たちをなんとかまとめつつ、癇癪持ちのボケ老人である兵藤に取り入ろうとして失敗したりしつつがんばるという、『カイジ』の公式パロディ的な作品。 藤田 あの『カイジ』のスピンオフが、なんと「このマンガがすごい!2017年」のオトコ編1位に……。 飯田 福本マンガではほかに『アカギ