ピーター・ドラッカーやマイケル・ポーターといった経営学の大家が著した“古典”を読むだけでは、複雑さを増している現代のビジネス現象を解明し、競争を勝ち抜く戦略を見いだすことはできない。現在進行形の事象から得られた最新の知見を学び、戦略を組み立てることが必要だ。 このコラムでは、気鋭の経営学者たちが現代経営学の最先端の世界へと誘う。まずは、ポーターらが確立してきた競争戦略論の新潮流について、4人の俊英に解説してもらう。 今回は企業の強さを「エコシステム(生態系)」という視点で分析しようとする新しい考え方を取り上げる。この考え方では、ある企業が競争において強さを発揮できている理由をその企業の戦略ではなく、その企業がほかの企業と形成している「生態系」に求めようとする。 現実の企業は、個々に独立しているわけではなく、様々な企業と関係しながらビジネスを行い、その関係の上に強みを構築している。こうした現
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