税収が足りなくて毎年赤字国債を発行している日本。その赤字 額は年々大きくなっています。まさに財政危機そのものです。し かし、ときとして予想していたよりも税収が増えるときがあるの です。そういうとき普通の感覚であれば、それを使って当年度の 借金である赤字国債を減らすことを考えるはずですが、財務省は そういうことはしないのです。 これは、元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏の話ですが、 2006年10月に財務省主計局が大型補正予算の編成を検討し ているという情報が入ってきたというのです。安倍内閣が誕生し て1ヵ月後のことです。 2006年度は、小泉政権になってはじめての景気回復により 5兆円の税の自然増収が見込まれていたのです。主計局はそのう ち1.5 兆円で補正予算を組んで、それを使ってしまおうとして いたのです。 2006年度の財政赤字は当初予算で、約30兆円だったので す。常識的には自然