期間限定,数量限定,季節限定,顧客限定・・・・世の中の商売は「限定」だらけである。消費者の側から見たら「限定」とついていると「何となく買いたくなってしまう」という感覚はよく分かるし,売る側はとりあえず「限定」とつけさえすれば売れ行きが変わることを経験的に知っているということなのだが,心理学の立場から説明するとどうなるのだろうか?考えられる理由を列記してみよう。 ②商品の品質評価への影響 消費者が商品に対して行う品質評価は客観的事実よりは主観的判断に基づいており,しばしば商品それ自体の品質ではなく商品の外部的情報や購買の文脈に影響を受けてしまう。「限定商品」と言われると,客観的品質とは無関係に「手に入りにくい商品」であることが「品質が高いはず」という信念(思いこみ)を形成してしまう。「高価な商品は良い商品」と単純に考えるのも同様の仕組みといえる。 ③リアクタンス理論 「限定商品なので手