経営危機に陥っているJR北海道が、在来線の半分を超す1237・2キロ(13区間)を「自社単独では維持困難」と発表して1年半がたった。ようやく今後のあり方を巡る協議が本格化してきたが、責任論やいかに現状に近い形を維持するかという議論が中心になっている。しかし現在、既に地域の交通状況は厳しく、鉄路が存続できても不便さが解消されない人々がいることにもっと目を向けたい。この機に、それぞれの地域で住民が暮らしていける交通体系を構想し、根本的な改善を図るべきではないか。 1月末、札幌市近郊の駅構内で夜間に行われている除雪を見た。厳しい冷え込みの中、電車の往来でレール上に凍り付いた雪を始発までの間に手作業で取り除いていた。道内各地で、冬季は毎日1000人以上が線路の除雪に当たっているという。