高さ数メートルのボルダーからヒマラヤの岩峰、苔むした夏の滝から凍てついた冬の氷瀑まで。高いクライミング能力と強靭な精神力で長きにわたって飽くなき挑戦を続けているクライマー、佐藤裕介。高校生で山を始めてから今日まで 20 年あまり、クライミングを始めた頃からペツル製品を愛用していた彼を、当社がペツルの輸入販売元としてサポートするようになって 10 年 を迎えます。その節目に、彼がこれまで実践してきた活動について、改めて話を聞きました。その内容をこれから4回にわたりご紹介していきたいと思います。 今回はまず第1回として、佐藤の原点でもある沢登りについてです。 2018年8月8日 台湾の沢・恰堪渓(チャーカンシー)にて 「楽しさを求めたら沢」 私が本格的にアルパインクライミングをしよう思ったのは大学で社会人山岳会(めっこ山岳会)に入ってからです。高校の三年間は山歩き、その後ロープを使った「バリエ