悪態をつく、診療時間を無視した診療を強要する、医師の助言に納得せず執拗な質問を長時間繰り返すなど、ここ1、2年、急速にモンスターペイシェントが増えてきた実感を持つ医療関係者も多いのではないだろうか。その影響は時として大きい。診療時間が削がれたり、他の患者に迷惑がかかったり、スタッフの士気が下がり退職につながったりすることさえある。クレーム対応の専門家、株式会社エンゴシステムの援川聡(えんかわ・さとる)氏に対応策を伺った。 ケーススタディ〜ある病院にて いわゆるモンスターペイシェントとはクレーマーを指す。ごり押しによる不当な脅迫的な行為だ。困った患者を通り越し、治療の妨げとなり、究極的には医師やスタッフをうつ状態にし、就業不可能にさせることさえある。具体的な例を挙げて対策を考えてみよう。 ある病院で、急患で深夜に飛び込んできた母子。子どもの体温は37度。ほかに所見はない。当直をしていた脳外科