夏山シーズンを控え、山小屋に宿泊予約が殺到している。新型コロナウイルスの感染予防で「3密」(密閉、密集、密接)を避けるため原則予約制にし、定員を制限している事情もあるが、7月23〜26日の4連休や週末を中心に既に予約が埋まった日もある。集中日にはテント場も過密が予想され、泊まる場所がなくなる登山者が出る可能性もあるとして、山小屋関係者が気をもんでいる。 「ここまで殺到するとは思わなかった」。北ア南部の槍ケ岳山頂直下、槍ケ岳山荘に勤務する穂苅賢三さん(37)は驚いた。今月1日、営業を始める15日から翌8月末までの予約受け付けを始めたところ、朝から夜まで電話が鳴り続いた。この日に受けた電話は約250件に上った。 同山荘は、今季の宿泊利用者の定員を通常の5分の1となる1日約100人に制限。既に4連休はほとんど満室で、8月も週末や連休を中心に満室が出始めている。 穂高連峰の登山の拠点に位置する涸沢