社会学では、「文化資本」といわれる知識や感性、モノは、自分の意思だけではなく「家庭や育った環境によって相続される」とみる研究があります。前編では、専門家の解説とともに文化資本の性質などについて紹介します。 「文化資本」は、フランスの社会学者ピエール・ブルデューによって提唱された学術用語で(1)蓄積が可能、(2)自身の評価や所有価値などの利益をもたらす、(3)親から子供へ相続できる、という性質を持ち、書籍や絵画のような「有形」、芸術に対する感性や言語能力のような「無形」を問わず、文化に関わる所有物を指す言葉として広く定義されています。具体的には以下のような例があげられます。 ・書物や絵画、楽器などの物資として所有可能な文化的財物 ・一部の芸術(例:絵画やクラシック音楽)やスポーツ(例:乗馬やゴルフ)などに関する知識や技能、理解できる感性 ・言語能力や学習に対する態度や意欲 ・学歴や資格 親の
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