ことし3月に出版された哲学書がいま、10万部を超えるベストセラーとなっています。『現代思想入門』という、一見とっつきにくいように思える本が、なぜ読まれているのか。著者に話を聞くと、閉塞感を抱える人にヒントを与える言葉の数々がありました。 (宇都宮放送局記者 川上寛尚) 本の著者は、哲学者で小説家の千葉雅也さん。 立命館大学大学院教授で、20世紀半ば以降のフランスの現代思想を専門とする哲学者です。 ツイッターで7万人余りのフォロワーに向けてみずからの日常を毎日のように発信。小説家としても活動し、芥川賞候補に2度選出されるなど、その言葉が注目されています。 そんな千葉さんが、ことし発表したのが、1960年代~90年代ごろにかけ、主にフランスで展開された思想をまとめた『現代思想入門』です。 千葉雅也さん 「現代思想の中に、今こそ役に立つ思想、読み直す価値があると考えました。そのスーパーヒーローと