厚生労働省は2009年度までの3年間に審査官を現在の約200人から倍増し、新薬審査の迅速化を進める。外国との新薬開発時期のタイムラグを縮めるためだが、「問題の根は非常に深い」と日本製薬工業協会・医薬産業政策研究所の安田邦章・主任研究員は指摘する。(聞き手は、日経ビジネス オンライン記者=谷川 博) NBO 厚生労働省が新薬承認審査を迅速化するために審査担当者の倍増を決定しました。本当に効果はあるのですか? 安田 確実に審査の迅速化は期待できると思います。というのは、欧米と比べて日本では審査官が圧倒的に少ないからです。米国には約2000人いますが、日本には10分の1の約200人しかいません。英国と比べても3分の1の規模で、先進国では最も少ないのです。 審査官のマンパワーの差は個人の能力だけでは埋めがたい。現在は審査官1人当たりの担当品目が非常に多く、製薬会社の申請書類が机の上に山積みになって
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