心配しないでください 拡大 【3月9日】 どうしても、会いたかった。だから、鳴尾浜へ行ってきた。 手術明けの原口文仁がチームに合流した7日、当方は内視鏡検査のため西宮市内の病院にいた。この歳になれば身体に多少のボロは出てくる。その度に健康の尊さを再確認するのだが、文(ふみ)がタテジマのユニホーム姿で会見に応じる気丈な姿を8日の本紙で見て、涙腺が緩んでしまった。 まだ、27歳。病の発覚を耳にしたときはもう、なんでやねん…としか、言葉が出てこなかった。 会えるかどうか分からない。とにかく、待ってみよう。そう思って鳴尾浜の選手寮の敷地内で立っていると、文はトレーニングウエア姿でこちらへ歩いてきた。おっさん記者の面持ちがよほど頼りなさげに映ったのだろう。文は握手したまま僕の手を引っ張り、そして肩を寄せ合って、こう言った。 「心配しないでください」 端から見れば、どちらが励まされているのか分からない