「マスコミの方は出てください!」。日本が国際捕鯨委員会(IWC)から脱退し、31年ぶりの商業捕鯨再開に踏み出すのを目前にした6月30日、「近代捕鯨発祥の地」として知られる山口県下関市のホテルで捕鯨船乗組員を激励する業界の壮行会の乾杯後、われわれ報道陣は会場から追い出された。退場する人混みの中に、ビデオカメラを手にした女性が着けている「八木フィルム」と記した腕章に目がくぎ付けになった。「あの作品」を撮った女性映画監督ではないかと思い浮かんだのだ―。 (共同通信社福岡支社編集部次長・大塚 圭一郎) ▽批判浴びた女性議員「来賓」に 会場最前列のテーブルにはLGBTカップルのことを「子どもを作らない、つまり『生産性』がない」と月刊誌に投稿して批判を浴びた自民党の杉田水脈衆院議員の姿も。「来賓のセンセイ」が報道陣から詰め寄られ、商業捕鯨へとこぎ出すお祝いムードに水を差す事態を何としても避けたかったの