なぜスマートフォンはAppleのiOS(iPhone)かGoogleのAndroidの2択なのか。アテネ大学教授のヤニス・バルファキスさんは「AppleとGoogleは、『デジタル版の地代』とも言える『タダ働きの仕組み』を作り出し、富を積み上げている」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、ヤニス・バルファキス『テクノ封建制』(集英社シリーズ・コモン)の一部を再編集したものです。 ■レントを超える利潤を追い求める大企業 ソニーは世界初の携帯型音楽デバイスであるウォークマンを発明したとき、莫大な利潤を得た。その後、模倣品による競争でソニーの利潤は減っていき、最後にアップルがiPodを引っさげて参入し、市場を独占した。反対に、市場競争はレント階級(地代などの権益=「レント」を生み出す資産の所有者)の味方になる。 たとえば、ジャックの所有するビルのある地区でほかの人が貧しい人を追い出し
