あたらしくうつくしいことば 作者: 石川博品発売日: 2017/12/29メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る石川博品のネット公開された中篇をふたつ収録した同人作品集。いずれもウェブ版を既読で当時もTwitterに感想を書いたけれど、昨年本書が刊行されていたので、いま改めて再読して記事にまとめておく。 「異世界求法巡礼行記」 異世界求法巡礼行記 オリエント風帝国の後宮では野球によって皇帝の寵愛を競っていた、という奇想野球ラノベ『後宮楽園球場』があったけれども、これは異世界転移と禅宗を掛け合わせたコミカルな中篇。異世界に転移した禅僧が、詭弁めいた仏教トークや身体能力などで問題を解決していく、軽薄、軽妙、軽快なコメディ快作。 禅問答的なロジックで話を回したり、漢字語彙に現代的ルビを振っていく語りのギミックも心地よく、下ネタの応酬がほんとうにひどくて随所で笑わされてしまう。仏教用
