問いを立てる。 自分なりの答えを出す。 それらを持ち寄り議論する。 政治や社会を動かしていくための、大事な営みだ。 だがどうだろう。いまの日本社会では、問いよりも、答えを出すことよりも、「答え合わせ」に重きがおかれてはいないだろうか。なぜそのような答えを出したかは吟味されず、答えをつき合わせて、同じであれば安心する。でも、ひょっとしたらそれは答えではなく、ただみんなが空気を読んだ結果に過ぎないかもしれない。 きょう、成人の日。 若者をとりまくこの社会のありようについて考えてみたい。 自分の言葉で語る 関東在住の専門学校生、菜々子さん(21)は昨秋、ある医院の就職面接を受けた。「その場で内定をもらって。うれしかった」。その後雑談していたら、恋人とはどこで出会ったの?と聞かれた。どうしよう。でもここでうそをつくのはなんか違うよな、えっと、はい、私は政治に興味があって、彼とはデモを通じて知り合っ