香港発韓国仁川(インチョン)行きアシアナ航空機が乗客のすり替わりを見落とし離陸し、途中で引き返す騒動があった。韓国では、大韓航空前副社長による「ナッツ・リターン事件」になぞらえ、「もう一つのリターン事件」として「テロリストならどうする」「安全不感症だ」と非難する声が上がった。直後に“本家”大韓航空でも乗客のすり替わりが発覚し、国民の怒りの火に油を注いだ。(桜井紀雄) ■「早く仕事に」自分の都合で258人巻き込む 3月16日午後1時15分、韓国で大韓航空と並ぶ大手アシアナ航空の香港発仁川行きの便で“事件”は起きた。離陸後、台湾上空に差しかかったところで、乗客のすり替わりが判明し、香港に引き返したのだ。 韓国メディアによると、原因はこうだ。アシアナ便より40分遅く香港を出発する格安航空会社(LCC)「済州航空」の便に乗るはずだった会社員男性(29)が、アシアナ便を予約していた友人(30)とチケ