posted by 西牟田靖(ノンフィクション作家) 友人たちと4人で住んでいた3階建ての一軒家から、木造2階建てのボロアパートへ、2000冊近くの蔵書を移したところ、床が完全に本で埋まってしまった。その様子を写真に撮り、ネット上に公開したところ、まったく違う意見を同時に寄せられた。「床が抜ける」というものと「それぐらいじゃ抜けない」というものだ。 いったいどちらが正しいのだろうか。「本で床が抜ける」という話はときどき噂話として聞くことがあるが、都市伝説ではなく、ほんとうに抜けたりするのだろうか。三面記事を探ったり、専門家に話を聞いたりして、真相を探ってみた――というのが、前回の記事(「本で床は抜けるのか」)のあらすじである。続編の今回は床抜け問題について、さらなる実例や、床が抜けないようにする方法について考えてみたい。 恐ろしい話 軍事ジャーナリスト加藤健二郎さんが話してくれた「本で床が
木造二階建てアパートの二階にある4畳半の部屋に仕事場を移したところ、畳がすべて荷物で埋まってしまった。部屋の壁際三辺は立て掛けた本棚や分解した机で覆われ、部屋の大部分を占めるそれ以外のスペースは高さ約30センチの本の束で埋め尽くされた。 部屋の真ん中にいる僕の足元は見えない。本の束と束の間にかろうじて足を突っ込んでいるからだ。足に泥は付着しないが、ぬかるみに膝下をずぶずぶ突っ込んでいるようなものだ。部屋の中を移動するには本の束から足を引き抜いて、本の束を踏み台にするか、つま先がやっと入るかどうかのすき間に無理矢理足を突っ込むしかない。 不安のはじまり 床が本で埋まっているというのに不思議と焦ってはおらず、床が抜けるというケースはまったく想像していなかった。むしろ運び終えたことに安堵していて、時間をかければ何とか片付くだろ、と呑気に考えていた。 運搬を手伝ってくれた便利屋スタッフが帰りの車中
「科学史をちょっと勉強してみたいんですが、どんな本がありますか?」という質問を、ときどきいただきます。 科学史を専攻している人間にとってはたいへんありがたいことです。 なのですが、こういうとき、答えるのに困ってしまうというのもまた確かです。 たいていの学問分野にはスタンダードな教科書・入門書というのがありますが、科学史の場合は、適当な本を挙げるのが難しいのです。 その大きな理由は、「科学史」とひとくちに言っても対象があまりに広いことにあります。 「科学」だけとってみても、物理、化学、生物、地学etc.とさまざまな分野があります。 「歴史」だけとってみても、古代から現代まで、日本からヨーロッパまで多様です。 加えて、科学史の研究対象で紹介したように、科学にまつわるありとあらゆることの歴史が科学史の範囲になります。 これらを一冊でカバーするような本を書くというのはとても困難だと言わざるをえませ
そういえばここ数日の飲み会の席で二度ほど、「お前はどのくらい資料読んでいるんだ」と聞かれましたが、私の場合は30冊くらいかなあと思います。 あまり多くないです。 ちなみにデビュー前の、応募原稿を書いたときに読んだ資料のリストがあったので張っておきます。 ここを見に来る人でいるのかどうかわかりませんが、これからファンタジー系の小説を書きたいなあと思っているけれども資料をどれ選んだらいいかわからないよ!、というかたは参考にどうぞ。 ちなみに絶版とかまったく気にしてないです。別にこれからファンタジー系の小説を書きたいと思っているわけではないが、本のリストを見かけると興味を惹かれる。 以下、引用もとで記載されている順に、「はまぞう」のリンクを張っておく。画像リンクは重いのでテキストリンクのみ。 『金と香辛料―中世における実業家の誕生』 『北の十字軍 (講談社選書メチエ)』 『ドイツ中世後期の世界―
自著が言及されているということなので、『はやわかり! ライトノベル・ファンタジー』という本を購入。 うわー本当だ載ってる! 二行だけですが、感動。 ちなみに読売新聞の時は驚きすぎてなんかもうわけがわかりませんでした。 両親とか「騙されてない?」みたいな感じでしたし。 で、読んでみました。 実はこの手の本を一冊も読んだことがないので新鮮でした。 第二部の衣食住など世界設定(?)のところは、これからファンタジーを書こうと思っている方などは読んでみたら良いかもしれません。 「内容が薄い」とネット上のとある書評で書かれていましたが、こういう点に注意すべき、という注意書きというふうに見れば実に便利だと思います。 意外に自分でこういうことをリスト化して満遍なく気を配るのは骨です。やってみればわかると思いますが。 ただ、「で、当時の人たちはどんな感じだったの?」と聞きたい人には不満かもしれません。 そう
オススメ本をもちよって、まったり熱く語り合うスゴ本オフ、今度は「ハヤカワ」だ。 つまり、早川書房が肴だ。SF、NV、JA、HM、NF、FT、epi、演劇、もちろんハードカバーやミステリマガジンもOKだ。それではと、ハヤカワ・マイベストを選ぼうにも……これがすっごく難しい。「この新潮文庫がスゴい!」と同じで、素晴らしい本がありすぎるのだ。 「ハヤカワといえばSFだろ常識的に考えて」、「ハヤカワといえばミステリの王、いや女王」という意見がある。全面的に賛成……なのだが、わたしの傾向では、NV(ノヴェル)やNF(ノンフィクション)を好んで読む。シリーズ丸ごと推したいのがハヤカワepi文庫。epiとは、"epicentre"の略で、「震源」のこと。海外小説の素晴らしさを伝える発信源たる思いが込められているという(こっそり「よりぬきハヤカワさん」と呼んでいる)。スゴ本が、傑作が、徹夜小説があまりに多
トップ > 静岡 > 4月3日の記事一覧 > 記事 【静岡】 介護現場で民俗学研究 准教授辞め特養職員の沼津・女性が本出版 Tweet mixiチェック 2012年4月3日 大学准教授を辞めて、老人ホームの介護職員として働く六車(むぐるま)由実さん(41)=沼津市今沢=が、高齢者からの聞き書きをまとめた「驚きの介護民俗学」(医学書院)を出版した。在野の民俗学者が施設で遭遇したのは、近代化の歴史に埋もれた「忘れられた日本人」たちだった。 (谷岡聖史) 県東部にある特別養護老人ホーム。六車さんは食事やトイレの介助をしながら、高齢者から昔の出来事を聞いていった。大半は軽・中度の認知症患者だが「若いころの記憶は鮮明」で、これまでの民俗学研究で出てこなかった近代史の生き証人の宝庫だった。 1935(昭和10)年生まれの元電気技師の男性は高度経済成長期、電気が通っていない宮崎県の山村に電線を引いて回
今年もお世話になりました、すべて「あなた」のおかげ。 このブログのタイトルは、「わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる」。そして、このブログの目的は、「あなた」を探すこと。ともすると似た本ばかり淫するわたしに、「それがスゴいならコレは?」とオススメしたり、twitterやfacebookやtumblrで呟いたり、「これを読まずして語るな!」と叩いたり―――そんな「あなた」を探すのが、このブログの究極の目的だ。 昨年までの探索結果は、以下の通り。 この本がスゴい!2010 この本がスゴい!2009 この本がスゴい!2008 この本がスゴい!2007 この本がスゴい!2006 この本がスゴい!2005 この本がスゴい!2004 昨年から始めたオフ会で、たくさんの気づきとオススメと出会いを、「あなた」からもらっている。目の前でチカラ強くプッシュしてもらったり、物語談義を丁々と続けたり
2011年08月06日 【読書スレ】本を読む人は、 それだけで、選ばれた人たちなのです。 Tweet 1コメント |2011年08月06日 18:00|書籍・読書|Editタグ :書籍紹介 「読書しろ、テレビは窓から投げ捨てろ、大人が読書しないと、子供も読書しない、蛙の子は蛙だ」より 当ブログサイトはアフィリエイト広告、バナー広告を利用しています。 スレタイ:読書しろ、テレビは窓から投げ捨てろ、大人が読書しないと、子供も読書しない、蛙の子は蛙だ26 :(dion軍):11/07/30 18:40 ID:lUCmJEac0 10代で読んでいないと恥ずかしい必読書 プラトン『国家』 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 アクィナス『神学大全』 ベーコン『ノヴム・オルガヌム』 デカルト『省察』 パスカル『パンセ』 スピノザ『エチカ』 ロック『人間悟性論』 バークリー『人知原理論』 カント『純粋理性
2011年06月23日17:00 初心者が読むべき哲学の本 Tweet 2:考える名無しさん:2011/03/28(月) 21:30:22.00 ID:0 プラトン『ソクラテスの弁明』 哲学の本といえば、まずあがる本です。 短いし、哲学特有の言葉遣いもなく読みやすい。 しかも、いろいろと考えることが出来る1冊。 こんな感じで本の題名と簡単な紹介があると、 これから大学等で学び始める人にもいいかと。 3: 【東電 88.0 %】 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2011/03/28(月) 22:10:32.28 ID:0 10代で読んでいないと恥ずかしい必読書 プラトン『国家』 アリストテレス『ニコマコス倫理学』 ショーペンハウアー『意志と表象としての世界』 ヘーゲル『精神現象学』 デカルト『省察』 パスカル『パンセ』 ライプニッツ『単子論』 カント『純粋理性批判』 キェルケゴール『死に
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http://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51586752.html このまとめを見ていて、岩波文庫へのイメージが古いまんまな人が多いように感じたので、90年代以降に出た、比較的とっつきやすそうな岩波文庫を羅列してみる。赤帯オンリー。 というかこういうスレが立つこと自体が岩波文庫ファンとしては悲しい。そもそも初心者向けとか言われるリストが70年代くらいから変わってないのが悪い。もっと新しい時代向けの本(≠新しい本)を見て欲しい。*1 正直このブログを見てる海外文学廃人さんには不要かもしれないと思ったりするけど、書きかけたので書く。 岩波は重版も多いし、この年代のものはそれなりの古本屋へ行けば簡単に手に入る場合も多いので、現時点で品切れしてるものも入れておくよ。 聊斎志異〈上〉 (岩波文庫) 作者: 蒲松齢,立間祥介出版社/メーカー: 岩波書店発
by churl 「シャイニング」「ミザリー」といったホラーものから「刑務所のリタ・ヘイワース(映像化タイトルは「ショーシャンクの空に」)」「グリーンマイル」といった非ホラーまで多くの小説を手がけ、また、映像化された作品も数多い作家のスティーヴン・キング。そのスティーヴン・キングがこれから小説家を目指す人に向けて、成功するために何を知っておかなければならないかという12のノウハウを伝授してくれています。 これは小説家に限らず物を書く人、そしてクリエイター全般について言える内容となっています。 キングの語る12の「知っておくべきこと」は以下から。 Everything You Need to Know About Writing Successfully: in Ten Minutes - Great Writing Creative Writing Community 1.才能・天分 これ
書物は知識の宝庫であり、いつの時代も人類にインスピレーションを与え続けてきたものですが、時には間違った情報や偏った物の見方を流布したり、戦争や大量殺害、恐怖政治の大義名分に使われることもあります。 影響力のある本というのはすべて、人類に対して良い影響と悪い影響の両面を併せ持つものかもしれませんが、歴史上で強い影響力を持った本の中で、著者の意図するしないにかかわらず読者をあざむくことになった本、多くの人の死につながった本など、悪影響の方が大きかったと言わざるを得ない「世界に悪をもたらした本」を10冊挙げたリストを紹介します。 必ずしも「読むべきでない本のリスト」ではないので、読書好きの人はその本がもたらした結果を念頭に置いて読んでみると興味深いかもしれません。10 Books that Screwed Up The World - Top 10 Lists | Listverse ◆「魔女に
2024年夏 かばんの中身記録 みんな大好きかばんの中身。 当然私も大好きで、人様のブログ記事やSNS投稿を飽きもせず読み込みまくっています。なぜこんなにも見飽きないのか… 自分も以前同じようにかばんの中身の記事を書いたんですが、気づけばもう3年前!去年くらいの気分だった、月日がたつの…
日本のどんなキーパーソンの名前よりもニュースに登場する「女子高生」という言葉。あらゆる分野に対して影響力があるにも関わらず、私達日本人にとっては身近過ぎるためか普段彼女達のことを気にすることはほとんどありません。 ところが、外国から見るとこれほど不思議な人種はないようで、もはやサムライ・芸者と並び「女子高生」は日本を語るには避けられないキーワードとなっているとのこと。この度刊行された「Japanese Schoolgirl CONFIDENTIAL」は「女子高生」が日本のポップカルチャーにどのような影響を与えているかが外国人の視点で描かれており、興味深い一冊となっています。 詳細は以下。 スクールガール・コンフィデンシャル :講談社インターナショナル Japanese Schoolgirl Confidential この「Japanese Schoolgirl CONFIDENTIAL」は
スゴ本オフ(恋愛編)で語ろうと思っていること、あるいは話したこと。 わたしが語るとき、キーボードを経由したほうが上手くしゃべれるようだ。なので、いったん吐き出してみる。事前メモのようなものだけれども、事後にこうして公開するのもいいだろう─── レンアイ、と一つ言葉で語られているものの、「恋」と「愛」はまるで別もの。「恋」と「愛」の違いは、「心」のありように表れている。すなわち、下に心で下心なのが「恋」で、真ん中に心がある真心なのが「愛」だ。では下心と真心の違いは?それは、「もらうこと」と「あたえること」になる。 恋する人は下心を持つ。すなわち見返りを期待した行動をとるのだ。もちろん、好きな人に食事をごちそうするとか、プレゼントを渡すのは、「あたえること」に相当するのだが、そのお返しに○○だったり△△をさせて「もらうこと」を期待している。恋することは、もらうこと。高揚した感情や、身体の快楽だ
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