『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』についての原稿は、今回で終わりだ。振り返ってみて改めて思ったが、やはり大変な作品だ。情報量が凄まじい。作り込めるだけ作り込んでいる。ここまでに触れたように、登場人物への踏み込みがとてつもなく深い。ドラマとしては刺激的であるし偏ったものであるかもしれないが、主張している事に説得力がある。 ただ、万人向けの作品ではない。ロボットアクションに魅力があるので、誰でもある程度は楽しむ事ができるだろうが、この作品のドラマや気分に浸れる人は、決して多くはない。また、作り手が伝えようとした事が、必ずしも観客に伝わっていないだろうとも思う。同人誌「逆襲のシャア友の会」を作った頃に、色々な人とこの映画について話をした。その時に、かなりのアニメ好きであっても、この作品のよさを理解できない人がいる事がいることが分かった。「理解できない」と書くと、まるで能力的に劣っていると言ってい