2010年10月中旬。 日中は暑く、夜の間に雨が降るという日が続いていた。 妻の誕生日が来たので、市内の洋菓子店で小さなケーキを買って食べた。 少しずつ現地での暮らし方がわかってきた頃だった。 日本の本社からR&Dの担当役員が出張してきた。 タイでの研究開発拠点での活動を視察するという感じだった。 この役員がいなければ、僕のタイ駐在はなかった。 色々と迷惑な言動もないこともなかったが、面白い経験ができたので、この役員には感謝している。 役員がタイの空港に着いた時に、僕宛に電話をかけたようだが、繋がらなかったようだ。 スタッフ経由でそのことが伝えられたが、無事迎えの車に乗れたようだったので安心した。 バンコク市内の中華料理屋さんで、タイ国内の化学系企業のトップと、日本から来た役員と、タイにおける僕の上司(現地法人の社長)と僕、さらにはアメリカから来た化学企業の重役という顔ぶれで会食。 僕が通
