菅義偉首相が2012年の野党時代に刊行した単行本「政治家の覚悟」(文芸春秋)が改訂され、新書として20日、発売された。当時の民主党政権とその公文書管理の在り方を批判し、「国家を運営しているという責任感のなさが如実に現れています」と主張していた単行本中の記述が削除されており、話題を呼んでいる。 「政治家の覚悟」は首相の唯一の著書。単行本は既に在庫切れで、9月の自民党総裁選に出馬表明する前後からネット上では数万円で取引されていた。 文芸春秋は「復刊を望む声が多数集まった」として今回、改訂版の発行を決めた。「官僚を動かせ」と題した単行本と同じ内容の第1部と、第2次安倍政権の官房長官時代に月刊誌「文芸春秋」に掲載されたインタビュー4本の第2部で構成している。 新書でなくなったのは民主党政権について、11年の東日本大震災時に会議の議事録を十分に残していなかったなどと指摘していた複数の章。公文書管理の