2012/7/189:0 日本の難題をかたづけよう 荻上チキ いま、日本は、多くの難題を抱えています。いずれも、解決するためには途方もない時間を費やすのではないかと、頭を抱えたくなるものばかり。そしてまた、時間をかけすぎてしまうと、解決する前に「時間切れ」がやってきてしまうようなものばかり。しっぽを巻いて逃げ出したくなりますが、そうもいかないから困りもの。 本書のタイトルは、『日本の難題をかたづけよう』。といっても、数ある難題を手当たり次第に列挙し、「これこそが答えだ(よその解決策はクズだ)」と声高に主張する本ではありません。新しく生まれた難題を解決するためには、新しい道具が必要となる。その道具を共有することこそが、本書の役割です。 「そんな回りくどいことをするな。正解だけをチャチャッとまとめてくれればいいんだよ」。そういう声も聞こえてきそうですが、それではいつまでも「ダマされたまま」