「なぜ、うその説明をし、うその報告をしたのか」。川口市立中学校でいじめに遭った元生徒の元に六日、初めて市教育長らが謝罪に訪れた。しかし、元生徒と母親の森田志歩さんが一番知りたいと願った、この問いへの答えは得られなかった。(柏崎智子)

病気や災害などで親を亡くした子どもを支援する「あしなが育英会」は4日、同会の奨学金を受け取る高校生の保護者の19.5%がコロナ禍で離職や転職を経験し、27.6%が9月の収入がないと答えたとするアンケート結果を公表した。「就労者が減り、収入のない層が増えた。遺児家庭の生活は限界。今こそ支援が必要」として、2年ぶりとなる街頭募金を11~12日、全国12都市の14カ所で行う。
衆院選神奈川13区では、自民党幹事長の前職甘利明さん(72)が立憲民主新人の太栄志さん(44)に敗北した。地元の自民党県連は「負けるとは思わなかった」と言葉を失ったが、有権者や陣営に聞くと、甘利さんの「政治とカネ」の問題や太さんの「熱意」が勝敗を分けたと指摘する声が多く聞かれた。(村松権主麿、丸山耀平、志村彰太) 「甘利さんは政治とカネの問題で地元での信頼が足りていない」。有権者の神奈川県大和市の無職男性(77)は1日、同市の大和駅近くでこう話した。知人の支援者から甘利さんの応援を頼まれたが、断ったといい「甘利さんは負けるべくして負けた」と切り捨てた。太さんに投票したという同市の男性会社員(30)は「甘利さんを地元で見たことがなく人柄が分からない。太さんからは熱意を感じた」と語った。 甘利さん陣営の選対本部長の藤代優也県議(50)は金銭授受問題に関して「本人は説明を果たしている。直接の敗因
31日投開票の衆院選では、「安倍・菅政治」を継続するか転換するかも問われている。第2次安倍政権と菅政権の約9年間では、主権者である国民の理解を得ずに重要政策が進められるケースが相次いだ。十分な手間暇をかけて国民に説明し、納得を得ていくという民主主義から逸脱している。岸田文雄首相も現状を「民主主義の危機」と評した。どうすれば民主主義に基づく政治を取り戻せるのか―。 「民主主義とは何か」を自問してきた社会活動家の湯浅誠さん(52)は、かぎとなるのは「納得解」だと説く。納得解とは、必ずしも自分の思い通りにならなくても、みんなで十分に対話して調整した結果、合意に達した結論のこと。「民主主義とは、納得解をつくるプロセス」と解説する。 今は政治家に限らず、日本社会全体で、他者との間で納得解を見いだす文化が根付いていない。逆に言えば、「社会の価値観の根っこ」に、納得解を得るプロセスが定着していけば、政治
9月に発足したデジタル庁で、民間から登用された職員約250人のうち、非常勤が98%を占めていることが分かった。非常勤職員には国家公務員の兼業規制が適用されず、その多くが出身企業の業務にも従事している。政府のデジタル事業の権限と予算が集中する同庁に対し、兼業する企業との癒着防止策の甘さを指摘する声も内部から上がっている。(坂田奈央) 同庁の職員約600人のうち、前身の情報通信技術(IT)総合戦略室からの職員も含め、民間出身者は約250人を数える。同庁は民間出身者の勤務形態の内訳を公表していないが、国民民主党の伊藤孝恵参院議員への説明によると、常勤は10月初旬で3人のみで残りは非常勤だった。非常勤職員の勤務日時は週2〜3日や毎日数時間などさまざまで、中には兼業する企業で同庁の業務をする職員もいるという。 政府のデジタル事業の発注を一手に担う同庁では、事業を受注する企業との癒着防止が発足前か
正社員に転職し初めての月給は18万円だった。「奴隷みたいに長時間働いたのに、正社員の給料ってこんなに安いんだ」。今年2月の夕刻、東京都内の洋菓子店で販売員として働き始めた渡辺美咲さん(25)=仮名=は、銀行ATMの残高表示にぼう然とした。 失望しつつ「決まった給料が入る安心感はある。長く働こう」と思い直した。元は都内の焼き鳥店のアルバイトで4年半ほど生活していた。当時は安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待が薄れ、経済成長と賃上げの好循環の実現は難しいことが明らかになってきた時期。政権の力点は非正規労働者の処遇改善など、分配政策にシフトしていた。
野党やマスコミに対する攻撃的な投稿を繰り返してきたTwitterアカウント「Dappi」の発信者とみられる東京都内のIT関連企業が、本紙デジタル編集部からの問い合わせに、メールで回答した。本紙は同社に対し、TwitterアカウントDappiを運営していた事実はあるかどうか、運営していた場合、どのような経緯で、どのような意図で、どこから発注を受けていたのかについて質問したが、同社からは訴訟を理由に具体的な回答はなかった。 同社のウェブサイトにある問い合わせフォームから質問を送信し、12日夕に回答があった。回答メールには「お問い合わせの件につきましては、国会議員が弊社を提訴したと聞きました。訴状を見ていないのでコメントのしようもなく回答は差し控えさせていただきます」と記載されていた。立憲民主党の小西洋之参院議員が10月6日、Dappiの発信者に対して損害賠償請求訴訟を起こしたとする趣旨のツイー
日本大学の医学部付属板橋病院(東京都板橋区)の建て替え工事を巡る背任事件。逮捕された医療法人グループ「錦秀会」(大阪市)前理事長籔本雅巳(61)は、父親から医療法人「錦秀会」を引き継ぎ、1995年に理事長に就任。関西を中心に、7つの病院や介護施設、専門学校、病院関連事業などを広く展開する巨大グループへと成長させた。東京地検特捜部の家宅捜索後、9月17日付で理事長を辞任している。 籔本容疑者は政界にも広い人脈を持つ。安倍晋三元首相とはゴルフや会食を重ねてきたことで知られ、2017~20年の本紙「首相の一日」にも登場している。中山泰秀・前防衛副大臣など自民党議員を中心に、籔本容疑者個人や「錦秀会」から毎年数十万~100万円単位の政治献金も行われている。(三宅千智、奥村圭吾)
立憲民主党など野党は5日、自民党の甘利明幹事長の現金授受問題に関する合同ヒアリングの初会合を国会内で開いた。法務省や都市再生機構(UR)の担当者から事実関係などを聴取した。31日投開票の次期衆院選をにらみ、甘利氏の「政治とカネ」問題を追及して自民党の「金権体質」をあぶり出す狙いだ。甘利氏は記者会見で「私としては説明責任も含めて責務を果たし終えたと考えている」と反論した。 立民の原口一博副代表はあいさつで、甘利氏が説明責任を果たしていないと非難。甘利氏の事務所に質問状を提出しているとして「誠実な答えを待っている」と述べた。 甘利氏を巡っては、2016年に週刊文春が、千葉県内の建設会社とURの補償問題に絡んだ現金授受疑惑と秘書の口利き疑惑を報道。甘利氏は建設会社側から100万円を受領したと認め、経済再生担当相を辞任した。その後、刑事告発を受けた東京地検特捜部は不起訴処分とした。 UR担当者は、
共産党の山添拓参院議員が鉄道営業法違反などの疑いで書類送検された。本人のツイッターによると、私設のいわゆる「勝手踏切」を渡ったということ。危険で国会議員なら慎むべき行為だ。しかし、勝手踏切は全国に1万7000カ所あり、日常的に人が渡る。そんな行為が警察沙汰になり、「共産党だから狙われた」「もっと処罰すべき人がいる」という声が出ている。人々が抱いた疑念に、警察のトップはどう答えるか。(荒井六貴、木原育子) 東京・JR新橋駅から高崎線で埼玉県の熊谷駅に向かい、秩父鉄道を乗り継ぎ、2時間余り。長瀞町の樋口駅に着いた。単線の線路と並行し、北側に国道140号が通る。南側は木々に覆われ、遠くに山々が連なる。列車はあまり通らず、秋の虫の声が響く。秋晴れだった21日。思わずハイキングをしたくなった。
東京都の小池百合子知事は14日、基礎疾患のない30代女性ら新型コロナウイルスに感染し自宅療養中だった3人の死亡が13日に発表されたことについて「自宅でおられる方は入院調整を進めているので、体調に不安がある方はその旨を保健所にお伝えいただければ」と述べた。 東京都が発表する新型コロナウイルス感染による死者は9月2日以降、連日2桁を超えており、13日も12人の死者が発表され、このうち3人が自宅療養中だった。
最低賃金(最賃)に近い低賃金で働く人の割合が最近10年ほどで倍増していることが、賃金に詳しい都留文科大の後藤道夫名誉教授の試算で分かった。最賃の全国平均の1.1倍以下で働く人の割合は2020年に14.2%となり、09年の7.5%から急伸した。非正規労働者や低賃金の正社員が増えたのが要因の1つで、コロナ禍が脆弱な雇用構造に追い打ちを掛けている。(山田晃史) 最低賃金 パートやアルバイトなど非正規労働者を含む全ての働く人に適用される賃金の下限額。都道府県ごとに時給で示され、下回った企業は罰金が科される。改定は毎年度あり、国の審議会が夏に引き上げ目安を示した後、都道府県の審議会が生活費の必要額や企業の支払い能力を考慮し決める。適用は10月ごろ。東京が1041円で最も高く、沖縄など最も低い県と221円の差がある。
麻生太郎財務相は14日の閣議後会見で、新型コロナウイルスの緊急事態宣言下での行動制限の緩和案について「やれるところがやってった方がいい」と述べた。景気回復につなげるために、「国民のマインドを変える」と強調した。 政府は、ワクチン接種の進展を前提とした行動制限の緩和案について検討を本格化している。宣言下でも都道府県をまたぐ旅行や大規模イベント開催も認めるといった内容が想定されている。 緩和案について問われた麻生氏は「医者は結構反対といってたろ。医者とか、医者みたいな人がいっている話ね」と懸念の声があるとした上で、「ぼくはいろんな形で行動制限の緩和もやれるところがやってった方がいいと思いますね」と答えた。
自民党総裁選に立候補表明している岸田文雄前政調会長は13日、日本外国特派員協会で記者会見し、菅義偉首相が日本学術会議の会員候補6人の任命を拒否した人事について「撤回は考えません」と述べた。 東京新聞の望月衣塑子記者が菅首相の6人の任命拒否について「学術会議側は学術会議法や憲法23条の学問の自由を侵害する行為だと強く批判しており、しっかり理由が説明できないなら、任命拒否を撤回すべきだと求めている」とし、岸田氏が首相に就任した際に「撤回を考えるかどうか」と尋ねた。 これに対し岸田氏は撤回の考えを否定した上で、「人事の理由説明は難しいものの、やはりこうした問題についてのさまざまな指摘には、しっかり考えを述べなければならないとは思う」とも説明。「今後学術会議のありようについては議論が進んでおり、今回の件も踏まえ、学術会議のありようについての議論は進めていくべきだと思う」と語った。
森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざん問題について、河野太郎行政改革担当相(58)は10日に開いた自民党総裁選への出馬表明会見で「既に検察その他いろいろ動いているわけですから、必要ないと思います」と再調査しない考えを明言した。 会見では、この答えについてTBS番組「報道特集」の金平茂紀キャスターが再質問した。「冒頭で情報を皆さん国民と共有して乗り越えていきたいと高らかに宣言されて、清新な印象を受けたが、振り返ると安倍、菅政権で国民が最も政治に対する絶望感を抱いたことの1つは、都合の悪いことは、なかったことにする。具体的には公文書の破棄、改ざんということを目の当たりにし、国民の間に非常に絶望感が広がっている」と指摘。 これに対し、河野氏は「この問題については既に検察、司法まで動いている」と強調。安倍晋三前首相や菅義偉首相には直接言及はせず「私がやってきた、たとえばワクチンについてはあらゆる
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