ブックマーク / blog.blwisdom.com (7)

  • 愛着理論とグッドイナフな親(その4) くねくね科学探検日記

    もう一つ重要な話として、たとえ発達環境が悪かったとしても、取り返しがつかないわけではないってことだ。 よく、悪い親に育てられた子どもは犯罪をしやすくなるとか、虐待は繰り返すなんていわれるけど、実はそれは全く不完全で偏った物言いなんだよね。 もちろん、ネグレクトや身体的虐待が重傷の場合は、その繰り返しのリスクが若干高まることは解っている。 でもそれは、調査によって差があるんだけど、いちばん高く見積もっても30%、平均的には8分の1(10数%)で、過半数の子は、虐待を繰り返したりしないんだよね。 これはすごく重要で、それを言わないで、虐待を繰り返すということばっかり知られてしまっているのは、社会的に見てもすごく厄介なことだと思う。 多くの人は、虐待を受けても、それは良くなかった、繰り返すまいと思う。子育てのを読んだり、誰かに相談したりパートナーと助け合ったりすれば、立派に子育てでき

    helioterrorism
    helioterrorism 2012/10/04
    《それはちょうど性行動と同じで。本能的な欲求ではあるんだけど、最初から上手にできるわけじゃないもの。事前の知識も必要だし、何度か実際にやって失敗とかしてみないとダメなものなのね》
  • 愛着理論とグッドイナフな親(その3) くねくね科学探検日記

    愛着理論を唱えたボールヴィは、実はこうも書いていた。 「こどもには母親、または母親代理の人と、親密で安定した関係を持つことが重要である。その関係は、子どもだけでなく、母親にとっても楽しくて満足できるようなものであるべきだ。」 親の養育行動と子の愛着行動は相互作用だ。 子どもは親の感情に敏感 こどもの幸せのために親の幸せが必要なんだよね。 親が犠牲になっても、こどもは幸せになれない。 また、最適な親子のバランスは親子の体質や、社会経済状況によって、異なるのが普通である。誰にとっても、最高の子育て法の正解があるわけではないと、WHOは「2004に言っている。 ようするに、自分以外の家庭のことは、あんまりとやかくいうべきでないってことだ。 ここで黒田さんは、実体験としてカナダでの子育ての話をされていてそれも面白かった。 カナダでは、日と比べてこどもの事に全く気を使っていないよ

  • 愛着理論とグッドイナフな親(その2) くねくね科学探検日記

    1940年代までに、小児科の研究や、サルの研究と同様に、孤児院の研究などもいろいろ行われていて、それらを1951年に、ボールビィって人がWHOの以来でまとめてレポートを作成した。 このとき明らかになったのが、「愛着理論」だ。 それは、こどもの心の健康な発達にとって、母親、または少数の養育者との安定した関係が必須だってことだ。 この愛着は極めて重要で、それがない場合、こどもがストレスで死亡することもあるくらい大切だということが、はじめて知られるようになった。 これが明らかになったことで、児童福祉の劇的な工場が起きたんだよね。 たとえば、乳児の場合は母子同質入院があたりまえになったり、孤児院の経営方針も変わって、ただミルクをあげるだけでなく遊んだりするようにもなった。 さらに、それまでは、育児は家庭の聖域として第三者が立ち入ることはほぼなかったけれど、児童虐待への介入が行われるよう

  • 愛着理論とグッドイナフな親(その1) くねくね科学探検日記

    昨日、理化学研究所の小縁会 人類社会と科学。躍動する知的好奇心ってのを聴きに行ってきた。 どの話も面白かったんだけど、なかでも「愛着と子育て:親子関係を支える行動の脳内メカニズム」という演題の、黒田公美さんの話が面白かったので、それについて書いてみたい。 オレたち人間はいうまでもなくほ乳類だけど、ほ乳類の赤ん坊ってのは、親に育てられないとすぐに死んでしまう。 もちろん、母乳がもらえないと栄養面で死んでしまうんだけど、それだけでなくて母親は色々なことをする。 たとえば、体を舐めてこの清潔を保ったり、危険から守る、巣を作る、社会性や生きる知恵、何がべられるかの教育的な事もしている。 こういう事全てを、「養育行動」という。 おもしろいのは、この養育行動ってのは、実の子じゃなくても、同じくらいの子どもだと誰でも分け隔てなくするって事ね。 一方、子どももただ、受動的に世話を受けるわけ

  • 食の安全っていう概念はややこしいんだけど…… くねくね科学探検日記

    先週の日曜日に、みけねこサイエンスプロジェクト企画のサイエンスブロガーお茶会に参加してみた。 演者は、の安全情報blog の小比良和威さんで、お題は「の放射線基準と安全」 内容は前半の小比良さんの、の安全基準はどのように作られているかからはじまる講義で、後半は、それに基づいて色々な話し合いが行われた。講義の内容は、上記のの安全情報blogで紹介されている。 小比良さんの講演は、ポイントをおさえて非常に解りやすかった。 だけど、あらためて思ったのは、やっぱりの安全というのは、複雑高度に組みたてられた概念で、誰にでもすんなりわかるようなものじゃないなってことね。 品の安全てのは、実は自明のことではなくて、長い歴史の中で、意外な発見がたびたびありながら、徐々に練り上げられてきたものだ。 1940年代、遺伝子の実体がDNAとわかり、50年代にはDNAに作用して腫瘍を作る物質

  • 生肉食と放射線照射 くねくね科学探検日記

    去年の4月に起きたユッケ中毒事件を受けて、生肉の規制が強化された。 これによって、ユッケのような生肉は、ブロック肉の表面を加熱して中のほうだけ使うようなコスト度外視のやり方でしか作れないし、生レバーに関しては販売不可にになったといっていい。 レバーの場合、カンピロバクターは家畜が生きているときから肝臓などの臓器にいるので、どんなに新鮮な物を使っても中毒の危険性は排除できない。カンピロバクターは病原性大腸菌のように死ぬことはないみたいだけど、少ない確率ではあるけどギランバレー症候群になるので、これもなかなか恐ろしいんだよね。 でも、生肉べたい人は、やっぱり多いと思う。 そう考えるといちばんふさわしい殺菌処理は、やっぱり放射線照射だと思うんだけど、なぜか日ではほとんどそういう話題がでてこないね。 品の放射線照射は、非加熱で殺菌、殺虫ができて、色や香りも変わらないし、保

  • あさイチと、二日目のカレーのウェルシュ菌食中毒 くねくね科学探検日記

    NHKの朝の情報番組で「あさイチ」ってのをやっていて、これがなかなか良いんだよね。 キャスターやレポーターのみなさんの個性ある表現がすごく自然な感じで、当に親しみが持てるんだなあ。どこにでもいる、ちょっと変わったところもあるけど、誰もが思うような疑問や不安を素直に表現できる、まじめで誠実な人たちって感じ。 テレビってのは人に見せるために作っているものなので、どうしたってある種の「芝居がかった」面がある。ただ、劇場で芝居を見ている時、役者の非日常的な演技が、いつしか違和感のないリアリティに変わるのと同じように、テレビに出ているタレントやアナウンサーはホントはいつもかなり非日常的に振る舞っているんだけど、その非日常感を、見ているぼくらはあまり感じなくなってるって事はあるのね。 ところが、あさイチのキャスターやレポーターは、そういうところがほとんどなくて、自然な日常の普通の人らしい感じで

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